『振り返り』を軽視している会社は少なくない。
特に上手くいっている時には、わざわざ時間を使って振り返りをするよりも営業に行った方がいいと思うもの。
でも、最大限の利益・最大限の効果を生むためには“継続した改善”が必要。
それも現場が出来れば最高!
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軽視される『振り返り』
売上が上がっていればいい?
今回は軽視されがちな『振り返り』の力について書こうと思います。
何をかくそう、僕も振り返りは大の苦手!
何も仕組みを作らないでいると、全く後ろを見ることなく前しか見れません。(笑)
最初に必要なのは、どうしても“先立つもの”ですからね。
過去を振り返るより、将来どうやって売り上げを立てていくかを考えたくなります。
しかし、この考え方はとてももったいない。
振り返りをすれば、もっと利益が残るのに!
振り返りをすれば、もっと売り上げが上がるのに!
継続して振り返りを行い、改善を続けていくことで、同じ仕事でも何倍もの成果を生み出せる可能性がある。
振り返りをしないのは、せっかく手に入れたダイヤモンドの原石を磨かずに売ってしまうようなもの。
その売り上げに満足しているうちはいいでしょう。
でも、苦しくなった時や限界を感じた時、会社が次のステージに進む時には必ず必要になってくるんです。
苦しい時に欲しくなる
振り返りの力は、“苦しい時ほど”欲しくなります。
- 「どうして上手くいかないんだ!?」
- 「なんで利益が残らない!?」
- 「これ以上は成長しないんだろうか・・・」
- 「一体何がいけないんだ?」
- 「どうしたらいいんだ?」
振り返りさえしていれば、こんな疑問はなくなる。
でもふつうは、苦しくなった時に初めて過去を振り返るものです。
大切なことは・・・
今、ここに分岐点はある。
いつでも一歩先は上手くいく・いかないの分岐点だから、振り返りは早ければ早いほどいい。
物事を改善するのは、早いに越したことはありません。
いつでも改善の機会をロスしているかもしれないということですね。
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今ここにないデータを作る
【数字を生む】改善すべき点を明らかにする
振り返りをするときに気を付けるべきなのは、とにかく「明確にする」ことです。
この世で最も明確に物事を捉える発明が、『数字』です。
数字を出さないと、上がったのか下がったのかが分かりません。
今どこに位置するのかも分かりません。
「昨日より悪くなりました」と言うのと、
「8月6日100万、8月7日80万です」と言うのは全然違う。
例えば僕がメインで携わっていた採用に関しても、ある数字を追っていきます。
「歩留まり」と言って、応募した人が何パーセント次のフローに進んだかの数字です。
存在しない数字を作ることで、良い・悪いを判断できるようになる。
どこが悪いのか分かれば改善ポイントが分かる。
どこが良いのか分かれば強化ポイントが分かる。
お医者さんの問診のようなものですね。
どこが悪いのか分からないのに、薬を出す先生はいません。
ここまで来たら、その数字を改善するための施策を考えるだけです。
「応募から面接実施の歩留まりが60%と低い。ここを70%に上げれば同じ予算でも目標に届くぞ。」
と言うことが分かれば、面接に来てもらう施策を考える。
「前日にリマインド送るのはどうだろう?」とか
「面接場所をもっと丁寧に教えてあげたらどうだろう?」とか
「電話対応でもっと明るくウェルカムな感じを出したら?」とか
限りなく出来ることが生まれてきますね。
【定点観測】蓄積により基準が生まれる
それから、同じ数字を追い続けることを『定点観測』と言います。
同じ数字を毎月・毎年拾っていけば、どのぐらいが普通なのかが分かる。
全く努力しない時の数字と、努力した時の数字が分かる。
この基準出来ていくことで、働く人はより精度の高い仕事をすることができます。
その道のプロになっていくわけですね。
さらに、定点観測をすることで数字の上がり下がりを見ていきます。
施策を検証しながら数字を見続けることで、施策提案の精度も上がってきます。
例えば先ほどの「歩留まり」を定点観測するとします。
観測① 5月の応募→面接歩留まりが60%
「ううん、良いのか悪いのか分からんが、改善できるように頑張ろう」
改善① 前日リマインド実施
観測② 6月の同歩留まり65%
「リマインド効果あるね!もっと良くしよう!」
改善② 面接場所の詳細送付
観測③ 7月の同歩留まり63%
「面接場所の詳細送付効果全然ダメだったね…他には?」
改善③ 電話対応のトレーニング
観測④ 8月の同歩留まり75%
「電話対応めっちゃ大事じゃん!」
これがノウハウの蓄積。
そしてその道の感覚が出来上がっていき、プロに近づいていきます。
集中して強化するポイントを見つける
では、ある一点に集中して改善し続けていくとどうなると思いますか?
改善を継続していけば、オンリーワンに近い戦術を生み出すことができます。
コンサルは、これを売り物にしているものです。
「こうすれば上手くいく」という戦術を売ってくれる。
上手くいく方法がある以上、そこにたどり着いた人がいるんです。
「こんな方法があったんだ!」と驚くようなもの。
改善を続けていけば、最初は思いもよらなかった方法にたどり着くことになる。
他社が真似できない戦術になる可能性が高い。
良いアイデアというものは、パッと思いつくものではありません。
積み重ねや試行錯誤、検証を重ねた結果に出てくるものです。
パッと思いつくものなんて、すでに誰かがやっているものばかり。
振り返りは、自社の独自性を生みブルーオーシャンを作る力になる。
まずは“今ここにない数字”を作ることから始めてみましょう。