期末は仕事の変わり目。
同時に、自分のキャリアを振り返るにはちょうどいい時期です。
「キャリア」は、いざという時に確認する地図のようなもの。
歩んできた一年を無駄にしないために振り返るべきポイント、やるべきことを考えておきましょう。
定期的「セルフ・キャリアドッグ」
「セルフ・キャリアドッグ」を聞いたことはありますか?
自分のキャリアを自分で確認する。
人間ドッグのキャリア版です。
必ず定期的に自分のキャリアを振り返りましょう!
キャリアはノウハウと同じ
なぜ、セルフ・キャリアドッグという制度が政府から推奨されているのか。
キャリアはノウハウと同じ、蓄積していかないと忘れてしまうから。
そして、今どうなっているかを客観的に確認しないといけないからです。
携帯の“地図”を思い浮かべてみましょう。
とても便利なものですが、更新されなかったら大変ですよね。
道なき道を案内されてしまうかもしれない。
キャリアも同じです。
新しい道を付け加える。新しい移動手段を追加する。無くなった道は消す。
ノウハウのように蓄積し、正しいマップが出来上がる。
いつでもtだしい地図(キャリア)を見れることで、大切な判断をするときにも間違えずに選ぶことができます。
最低1年に一回!期末がちょうどいい
どんな時に振り返りをするかというと、1年に一回がちょうどいいですね。
自分のキャリアは、仕事の節目と同じサイクルで振り返るとやりやすいです。
キャリアは人生の道ですが、仕事とは密接に関わってきます。
会社や部署全体を振り返るのと一緒に、自分のことも振り返りましょう。
業務の振り返りサイクルは細かいほどいいのですが、キャリアはとても大きな流れのことを指します。
「できた・できてない」など、すぐにできる確認は月に一度。
方向修正や方針の確認などを含めるなら、年に一回ぐらいでないと逆に惰性になってしまいます。
必ず時間を取る
月に一度の振り返りなら、なるべく時間をかけない方がいいかもしれません。
しかし、年に一回の大きな振り返りとなると話は別。
必ずたっぷり時間をかけて振り返りましょう。
“気合を入れて”というのは少し違うかもしれません。
“いつもの流れから脱出して”という感じです。
一人で遠くに行ったり、子供を預けたり。
「他には一切何もしない」と決めてゆったりとした時間と空間をつくるといいですね。
自分らしくいられる空間で、一番ナチュラルな自分で振り返りをしましょう。
期末の【キャリア振り返り】
取り組んできた仕事
まず簡単なところから振り返りましょう。
一年間、どんな仕事をしてきたか。
スケジュールやタスクを振り返って、自分がこなしてきた仕事の数々を羅列してみます。
とてもシンプルですが、一番重要なことです。
なぜなら、この仕事のリストが最初の基盤になり様々な発見があるからです。
- 上手になった仕事はなんだろう?
- 成果の出た仕事はなんだろう?
- 好きだった仕事はなんだろう?
- 負荷のかかった仕事はなんだろう?
- 価値観の変わった仕事はなんだろう?
並べた仕事を見てみると、
最初はとても嫌だった仕事が難なくこなせるようになっていたり
すでに部下にバトンタッチした仕事があったり
色んなことに気が付くはずです。
やってきた仕事のリストを眺めながら、自分に起きた変化を振り返ってみましょう。
『出来る』ようになったこと
特に大事なのでピックアップしてほしいのがこれです。
新しく出来るようになったこと。
習熟度が上がった仕事。
出来るようになったことは、あなたの大切なキャリア形成の結果です。
失われることのない、ポータブルスキル(エンプロイアビリティ)であり市場価値でもあります。
転職やキャリアアップに有利なことはもちろん、新しい価値を生むための力です。
さらに、出来るようになってからの習熟度(レベル)もあります。
一人でできるレベルと、人に教えられるレベルでは、出来る仕事の幅が全く違う。
その仕事をどのぐらい習熟したいか目標値を決め、レベルを毎年確認していきましょう。
『興味』が湧いたこと
また、『過渡期』や『人生の転機』のときには職業を変える可能性もある。
「もっとやりたいことをやる」と方向を修正するかもしれませn。
その時に大切な自己理解がこれ。
この一年で、興味が湧いたことは何か。
リストにした仕事からはもちろん、その他の遊びや見たこと聞いたことすべてを思い起こして考えてみましょう。
例えば、
今までは全く興味の湧かなかった“人の教育”にとても熱心に取り組んでいた自分がいる。
とか、
ふと思いついて始めたヨガが、一年間続いている。
など。
一年間365日あれば、色んな出来事が自分の横を通り過ぎていったはずです。
その中で覚えていることだから、相応に興味があるのかもしれません。
ただの思い付きで興味がある・なしを考えるのではなく、
その時に熱中していた理由や、きっかけとなった出来事を思い出してみましょう。
論理的に振り返るのがポイントです。
興味というのは、意外と自覚するのに時間がかかるものです。
一時強烈に「やりたい」と思っても、今となっては冷めてしまっているもの。
この場合、一時「やりたい」と思った自分を再確認し、冷めている自分も再確認しましょう。
熱意にも冷めたことにも、両方理由があるはずです。
見逃さないように、しっかり自己理解してあげましょう。
逆にいま、興味があると思っているものも客観的に見つめなおします。
一時的な感情にすぎないのかもしれないし、優先順位をつけてみたら意外と低いかもしれない。
キャリアは今の時点でもなく過去の時点でもなく、『道』として認識していきましょう。
『価値観』が変わったこと
これは、ものすごく重要なことです。
この一年で変わった『価値観』がないか。
変わった価値観でなくても、「気付いた価値観」もいいんです。
新しく更新された価値観を、必ず確認しておきましょう。
このような大事なものほど、実は気付くのが遅れるものです。
例えば「転職したい」「仕事やめたい」と思った時。
最初の価値観とは変わっている可能性がとても高いですね。
しかし、気づくのが遅くなるとその分転職しづらくなったり手遅れになったりします。
“文句を言いながら働く”のは、価値観が会っていないのに働いているからではないでしょうか?
人間ドッグで言えば、がんなどの重大な病気に早く気づかないといけないのと一緒です。
セルフ・キャリアドッグにより、自分自身の価値観の変化にいち早く気づくようになりましょう。
人間は、その発達段階によって価値観が変わる生き物です。
「自分は必ず変わる時が来る」と思っていたほうがいいですね。
『来期』の方針、ステップ
振り返りをしたら最後にこれ。
『来期』の方針や目標(ステップ)を決める。
「決める」なんて大仰な考えでやらなくても大丈夫です。
来年振り返った時に、「思った通りにいったかどうか」が分かればいいだけです。
できれば数字か何かで、「できた・できなかった」が明確に分かると最高です。
- 出来るようになったことは?
- 人に教えられるようになったのは?
- 新しいスキルは?
- 市場価値はどの段階?
- 何に興味がある?
- 価値観はどうなっている?
必要な情報はもう揃っていますね。
あとは、あなた自身がなりたい自分に向けてどう歩くかを考えるだけです。
キャリアは人生の道。
地図を作り上げたら、どこに行くのかは自由。
来期を最高の一年にするために、しっかり今期のキャリアを振り返りましょう!