上司から「ちゃんと報告しなさい!」と怒られたことはありませんか?
もしかしたら、報告の仕方が間違っているかもしれません。
報告の位置づけや重要度を理解し、上司をうならせる『すごい報告』をしてあげましょう!
誰でもできる、ロジカルな報告をするには?
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【報告】は会社の『感覚器官』
まず、報告の重要性をしっかり理解するところからです。
なぜいちいち報告をするのか?
現場の事は現場でやるからいいじゃん!とか、口うるさく言い返されるから報告したくない!と思っていませんか?
それで報告を怠ったら、組織として十分な機能を果たすのは難しいです。
なぜなら、報告は大切な経営判断の材料だからです。
会社を一人の人間だとします。
何かを手で触って、“熱い”と感じたら手を引っ込めます。
“気持ちいい”と感じたらもっと触っていたいですよね。
報告は、会社という組織でこの感覚を共有する器官です。
報告は会社の感覚器官
熱いのに手を突っ込んだままでいたら、やけどしてしまいます。
社長が感じることのできない感覚を社長まで届ける、とても責任ある行為なんです。
【キャリアアップ】上司が認める報告
では、どんな報告が上司や社長に認められるのか?
数字(利益・プロセス)
まずはなんと言っても数字です。
自分の部門が持っている最上位の目標数値があるはずです。
その結果から報告しましょう。
数字は「良かった」か「悪かった」か。
すべての結論を先に報告する。
この報告がないと、全ての報告の位置づけは曖昧になります。
「で、結局どうなの?出来たの?出来なかったの?」と思われてしまいます。
小学生の頃に感想を求められて「良かったです」と言うのと同じで、まずは全体でどうなのかを数字で報告しましょう。
ここで言う数字は『定点観測』です。
定点観測とは、毎回同じ地点を観測すること。
目標に対する結果、結果に直結する重要な指数、こなしたプロセスの量などです。
- 売上
- 利益
- 個数
- アポ数
- 成約率
- 集客数
- 参加人数
- 円、人、回、件
事実(分類して、データ・事象)
次に、事実を事実のまま伝えましょう。
報告の形態は様々で、以下のようなものがあります。
- 文字情報
- データ・数字
- 表・図
- 音声・動画のまま
一番伝わりやすいものをチョイスしましょう。
この事実は、ある程度大まかに分類して報告するといいです。
- お客様の良い声
- お客様の悪い声
- ライバル情報
- 市場の情報
- ビジネスパートナー情報
- 内部情報
「まずはお客様の良い声です・・・続いて悪い声です・・・」
と、何の事実なのかを先に伝えるといいでしょう。
この事実をなるべくまんべんなく拾い集めることがポイントです。
市場の情報を拾えば「視野が広いな!」と思ってもらえる。
ライバル情報を拾えば「戦闘力が高いな!」と思ってもらえます。
このフレームで報告をしようとすれば、情報に敏感になるのでおススメです。
主観(自分の考え)
最後に主観です。
この自分の考えがないと、主体性を全く感じられません。
上司が任せたくなる部下とは、自分の考えをしっかり持って行動してくれる人。
でも勝手に行動するのではなく、事前に報告し、その根拠までを示してくれる人です。
「以上のことから、わたしはこのように結論付けました(こうします)。」
というロジカルな主観が上司をうならせる。
主観は自分の考えではありますが、数字情報や事実情報をもとにした考えは十分客観的です。
客観と主観を合わせた考えだからこそ、上司に認められる。
自信を持って「ですので、こうします。」という報告が上がってくるようになれば、いよいよ“自立自走した社員”と見られ昇進は近づいてきます。
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【キャリアアップ】こんな報告にならないように
逆にこんな報告をしてしまうと、評価が下がってしまうおそれが!
主観を先にしてはダメ!
先に主観を述べてしまうのは良くないです。
しかも感情的になったり、自分の目線からの事実しか言わないのはNG。
上司としては、それを信用するわけにはいかないんです。
もちろん気持ちは分かってくれると思いますが、一社員の主観でそのまま経営判断に移るにはリスクが大きすぎます。
この主観が、たとえ正しいことだとしてもです。
自分の主張を通すには、ロジカルな伝え方・表現方法が必要です。
会社は一社員のものではなく、上司のものでもない。
社長のものではありますが、社長が勝手にすべてを判断することもあり得ません。
上司や社長もロジカルに判断しなければいけないということを前提に、ロジカル部分を自分でやってしまいましょう。
事実を脚色してはダメ!
また、事実を脚色するのもNGです。
大切な経営判断をする上での事実情報である事を認識し、その責任を感じながら報告しましょう。
もちろん、隠すのもダメ。
都合の悪いことを報告したくないのは分かりますが、それが命とりになることもあります。
(これに関しては、会社が報告をしやすい環境を作ることが重要)
たとえば、お客様の声。
『佐藤という従業員の態度がムカつく!』というクレームがあったとします。
これを、「ある従業員に対してクレームがありました」などと変えるべきではない。
そのまんまの文字で報告するべきなんです。名前ももちろん載せて。社内ですから。
でないと、正しい判断が出来ません。
佐藤さんを責めるのではなく、なぜ佐藤さんはクレームをもらったのかをロジカルに分析しないといけない。
「誰だ!?何をしたんだ!?」と犯人捜しをされる前に、評価を交えずロジカルに事実として伝えましょう。
また、『先日の施策は、大っ成功でした!』と高揚した感じで伝えるのも良くない。
聞いた方は「え?そうなんだ!じゃあもっとやって!」と経営判断したい。
でも本当はもっといい方法があるかもしれないし、大した成果ではないのかもしれない。
大した成果ではないのに大げさに報告し、それを妄信させてしまうのはちょっとマズイ。
数字は部分になってはダメ!
最後に、数字はしっかり全体を示しましょう。
結局、良かったのか・悪かったのか。
事前の評価尺度に基づいて全員が共通の認識を持つことが大切です。
もちろん細部の分析結果を提示したりするのは良いことです。
ただし、全体で目標を達成していないのに、部分的にうまくいったところだけを報告するのはダメです。
まずは全体でどうだったのか、良かったのか悪かったのかを報告し、その前提の上で細部の数字を提示しましょう。
全体(結果)→部門・分野(結果)→進捗→プロセス
という順に報告するといいですね。
自分の考えをしっかり持って
再度書きますが、上司がうなる報告とは『客観情報に基づいて自分の考えを持っている報告』です。
排除すべきは、
- 思い付き
- 漠然とした判断
- 思い込み
- 憶測
- 脚色
- 自分の都合
これらを排除し報告が出来る人は、立派な組織人です。
自分なりの「こうすればいいと思う!」を、事実情報から導き出してみてください。
きっと上司からの評価が変わっていくと思いますよ。