「どうして自分は出世できないのか?」
社内で評価されないと、このまま会社にいて大丈夫なのだろうかと悩んでしまいますよね。
元人事部長が、出世したいあなたにアドバイス!
出世は簡単。
でも、それをあなたが“したいかどうか”です!あなたの価値観は?
人事部長直伝!成果を上げるセルフマネジメント
今回は社内でのキャリアアップに関して書きます。
最初に言いますが、あくまで「出世したければ」の話です。
それはあなた自身が決めること!
「こんなこと自分はしたくない!」と思うなら、きっとそれが正しいのです。
では、いってみましょう!
何が評価されていないのか?
まず当たり前の話ですが、『何が評価されていないのか』を確認します。
本当に基本中の基本ですが、実はここですでにつまずいてしまう人のなんと多いことか。
なぜかと言うと、信じたくないから拒否してしまうんです。
例えば「もっと部下の気持ちを考えないとダメ」と言われて、すぐに納得できるようならすでにやっているはずなんです。
「自分はその領域では戦いたくない」
「それは出来そうにない」
苦手意識かもしれないし、価値観がない状態かもしれない。
「そこはそんなに大事じゃないだろ」と思っているかもしれません。
この気持ちは痛いほど分かります。
だから何度も言いますが、「出世したければ」です。ここに気を付けてください。
まずは評価されていない点をまっすぐ受け止めないと話にならない。
出世は自分のものではありません。
だって、会社から抜けたら肩書はなくなりますよね?
だから会社のものだし、会社の基準に合わせないといけません。
次に、
自分の条件を変える
- 今の思考回路
- 今の行動パターン
これを少しいじる。
正しくは思考回路は変えるのは本当にストレスがかかるから、得意な思考回路を使って不得意な行動を変えましょう。
例えば、論理的思考が得意な人は人の感情への理解を軽く見ることがある。
だから「この人に部下をつけたら辞めさせるリスクが高い」と判断され、「もっと部下の気持ちを考えないとダメ」と言われます。
でも、部下の気持ちを考えるってどういうこと!?と感じると思います。
そんな時は論理的思考でどんな行動をすればいいか答えを出します。
「部下の話は7割聞き、体の向きを変え聞いている姿勢を示す」などと行動を変える。
逆も同じ。
人の感情ばかり優先してしまい、論理的判断が欠けていて成果が出ないなら。
社交的思考で論理性をカバーするため、苦手な論理系上司に積極的にコミュニケーションを取ります。
上司はめんどくさがったり、「そのぐらい自分で考えろ」と言うかもしれません。
でも出世したいなら、そこで諦めてはいけません。
「苦手な人の言っていることをメモして持ち帰り、違う人にも見てもらいながら理解する」と行動を変えるんです。
このように、自分の評価されていない部分を形作っている条件を変える。
残念ながらなかなか出世できない人が出世するには、苦手と向き合うことが大切になってしまうんですね。
苦手な部分で成果を出す
これ、基本になってしまいます。
あまり僕はこれをお勧めしているわけではありませんが、昇進するためには会社の基準に合わせる必要があります。
社内での出世のための成果とは、自分の思う成果ではなく会社が求める成果です。
苦手を克服することが、なかなか出世できない人が出世するための基本行動。
なぜしつこくこれを書くかと言うと、今の自分で勝負しようとしている人が本当に多いからです。
正確に言うと、本人は努力しているつもり。
でも、努力の方向が違うことが多いんです。
では、苦手な部分でどうやって成果を出すかが問題です。
論理的思考が強い上司は効率重視なので、部下とのコミュニケーションを密に取るのは大変。
逆に部下とコミュニケーションを取るのが得意な上司は、明確な論理体系にまとめる作業をするときにストレスがかかる。
着実で正確な仕事が定評の上司なら、先の見えない方針の決定に踏み込むのはものすごいエネルギーがいる。
逆にアイデアマンで方針を次々に打ち出せる上司は、部下がどのような仕事をしているか詳細に見て評価することが苦手でしょう。
まずはこのように、“何をすればいいか”を明確にしてください。
もう一度言いますが、ここでつまずいていては先に進めません。
そしてここで、ビジネスではよく耳にする『選択と集中』が重要になってきます。
会社の戦略的な話ではなく、自分の行動に対して選択と集中を適用させるんです。
ここまでの確認!
- あなたが出世できない理由は上司に聞きましたか?
- それを正面から受け止めましたか?
- それでも出世したいですか?
- どんな行動をすればいいか分かりましたか?
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昇進・昇格・評価へ!『選択と集中』
ここからは選択と集中のために大切なことです。
苦手なことと向き合う時に漠然とやってはいけない。
かなりストレスがかかることです。なんとなくではなくて、明確な意図と基準を持って臨みます。
期間を決める!
まずは期間を決めましょう。
他人から「行動が変わった」と認められるには、少なくとも3か月はかかります。
(一か月では、今だけでしょと思われる)
あまり長くてもリスクが高いので、3か月~1年程度の間で設定するのがいいでしょう。
その期間の自分をしっかりとマネジメントしてください。
3か月~1年程度の間でセルフマネジメントする期間を設ける。
得意な思考回路を使って、苦手な行動を積み重ねる。
ダイエットと同じです。延々とやろうと思わないでください。
期間を区切らないと行動に集中が生まれません。
「いつかできればいいか」では出来なかったから、出世できずにいるはずです。
何より、明確な自己評価ができませんから。
『この期間は頑張る!これでダメなら諦めるか方法を変える!』
範囲を決める!
それから、行動する範囲も決めましょう。
何でもかんでも取り掛かるわけにはいかないし、今までの自分を否定してもいけません。
自分の強みを活かしたまま、ピンポイントで苦手を克服するんです。
だから範囲は、小さければ小さいほどいいです。
極小単位の行動を決める。
強みを打ち消さない程度の数、自己評価できる数にとどめる。
例えばこんな感じです。
- 部下の話を聞く時は3秒ずつ目を見て、メモを取り必ず聞き返し意図を確認する。
- 部下が助けを求めてきたら、アドバイス+5分見守り、ダメなら自分がやって見せ+5分見守り。
- 自分の作業時間を1時間短縮、部下に当てる時間として残す。
これは論理思考に偏ってなかなか出世できない人をイメージした例です。
その他の場合も、このぐらい“出来そうなレベル”で行動範囲を設定することです。
人が変わるのは大変です。
ものすごくパワーがかかることなんです。
『明日から別人になる!』なんて無理だし、そんなことを言う人は信用できませんよね。
だから小さな小さな行動から変えるようにしましょう。
『小さな行動から、ひとつずつ確実に変えていく!』
特に“苦手”に全集中
期間を決め、範囲を決め、苦手に集中する。
本来成果を上げるためには、強みに集中したいところです。
しかし今回に限っては、『出世のため』です。
得意なことは自然と出来ている可能性が高い。
なかなか出世できない理由は、それ以外の苦手な部分が評価されていないからですよね。
期間を決め、小さな行動を決め、苦手行動を克服することに集中する。
この選択と集中には、もちろんそれだけエネルギーがかかることだから頑張るという意味がある。
それともうひとつ、『すべてを否定しないで欲しい』という意味があります。
だから強みを殺す方法は考えず、苦手を克服することだけに集中してほしい。
もし自分の生き方に反するなら、出世なんて捨ててしまってください。
出世は無理してするもんじゃない
キャリアアンカーという仕事の価値観を示すものがあります。
8つあるキャリアアンカーの中で、出世に関することはひとつ。
出世を喜べる価値観はたったの1/8です。
つまりそれ以外は、家庭があるからとか次のステップは昇進しかないからとか、仕方がなく向かっているということ。
だから自分にキャリアアンカーとぶつかってしまい、“自分を否定しきれない”んですね。
それでいいんです。
評価されていない点を受け入れられない。
これでは出世の入り口には立てない。
しかし、入口に立つかどうかはあなたの価値観次第です。
今回の話はあくまで、出世したい人は会社の価値観に合わせる必要があるという話。
そのためにはなるべく自分の強みを変えずに、苦手な行動をピンポイントで克服しようというものです。
大げさに言えば、出世か自分の価値観か。
これが決められるなら、出世のための行動なんて簡単に変えられますよ。