キャリアコンサルタントの僕が、「キャリアアップ」と言う言葉に違和感を感じる。
なぜか自ら忙しい毎日に身を置いてしまう日本の働き手に、今一度「大切なものは何か」を問いたい。
そしてその忙しさは、本当に将来のためになっているのかと。
それはキャリア“アップアップ”だ
自らツメツメに飛び込むな
「キャリアアップ」と言うより、“アップアップ”じゃないかと感じることが多々ある。
「将来を考えると、若いうちにこのスキルを身に付けておかないと」とか、
「3年間は死ぬほど働いて、すぐに独立する!」とか。
この考え自体が悪いわけではない。
アップアップを感じるのは、“焦り”です。
「~しなければいけない」という、半ば強迫観念にとらわれているような。
将来への不安がそうさせるのだとは思うけど、本当にその行動が将来を救ってくれるのかにも疑問がある。
もっと考える時間が必要だし、自分と言う人間と向き合う時間が必要なんじゃないかと思います。
「考えている時間が惜しい」ではなく、
「働いている時間が惜しい」と見えてしまうんですね。
会社と共倒れ
なぜなら、これからの時代に最も怖いのは“会社との共倒れ”です。
一種懸命会社に尽くしてきたし、辞める気も毛頭なかったとしても、会社が危うくなれば簡単に土台を失う。
それまでに積み上げてきたものを振り返って見ると、「え?これって転職難しくない?」となる。
これはごく当たり前のこと。
その会社で積み上げるものは、特にその会社でこそ役に立つものだから。
いずれ来る転職や独立に備えるのなら、大切なのは“会社の外を見ておくこと”です。
会社の外、個人としての自分を意識していないと、会社と共倒れになってしまう。
だから、一生懸命にならざるを得ない環境にいる人には、特に警笛を鳴らします。
「自分の事、ちゃんと見てあげてますか?」と。
「必要とされている今に甘えて、自分自身の人生から目を背けてませんか?」と。
「ちゃんと考える時間を持ててますか?」と。
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キャリアアップ→キャリアフロート
味わい深さ=
「味わい深さを忘れて欲しくない」と、例えば街並みを見ながら、コーヒーを飲みながら思う時。
では、味わい深さとは何だろう?
- 余白
- 時間的余裕
- 経済的余裕
- 思考的余裕
具体的には、このようなものを指すのではないか。
これはキャリアに関しても同じだと思います。
余白のないキャリアには、危険があっても気付きづらくなります。
時間的余裕がないと、本業以外での学びを深められません。
経済的余裕がないと、本も買えないし僕のサロンにも入れない。
思考的余裕がないと、そもそも自分のキャリアについて真剣に考えることができない。
キャリアに味わい深さを。
ちょっとコーヒーを飲みながらノートを広げ、カフェのテラス席でゆっくりと
「さて、自分のキャリアについてでも考えるか」
というぐらいの余裕があるといいのに。
余裕がない時、必ず何かの外圧がかかっています。
・稼がなきゃ
・ちゃんとしなきゃ
・早く就職しなきゃ
なきゃ、なきゃ、なきゃ・・・
「~しなければ」
これでは、キャリアアップアップです。
積み上げではない、同時進行
僕が「キャリアアップ」という言葉に違和感を感じるのは、“一つずつの積み上げ”をイメージしてしまうから。
例えば、『次のステップを踏むには、次の会社に転職しなければいけない』という思いこみ。
会社に所属しないとキャリアは積めないのかと言うと、今の時代そんなことはない。
会社を変えないと違うキャリアは積めないのかと言うと、そんなこともない。
キャリアは今ここでも、同時に積み上げることができる。
『アップ』することに違いはないんだけど、なんだか方法が地面的というか、画一的というか。
歩いていく以外に方法はないのかい!?今の時代!と思うわけです。
本当はもっと自由だし、思っているほど窮屈ではない。
それなのに、自らツメツメの時間や仕事の中に飛び込んで行ってしまう人には、「ちょっと待った」をかけたいといつも思っています。
ちょっと余白をつくって、他に方法がないか考えてみようよ。
宙に浮くキャリア
キャリアはもっと自由になれる。
ただ私たちは、まともなキャリア教育を受けていない。
(キャリアコンサルタントが言うんだから間違いないよ!)
今までのやり方に固執していたり、方法を知らなかったり、時代の変化に追いついていなかったり。
キャリアコンサルを受けたほとんどの方が、“新たな可能性”に気付きます。
ということは、世の中の大半の人は、可能性が広がっているのにチャンスの掴み方を知らない。
「~しなきゃ」と一生懸命に余白を潰していく。
キャリアは「アップ」するというよりも、『浮く』に近い気がする。
社会はすでに地面だけではなくて、空のあるし海もある。
その空間や水の中のどこででも、ポジションを取りに行くことができる。
飛び方を知らないだけで、潜り方を知らないだけで、本当はもっと自由なんです。
やろうと思えば、できることはたくさん周りに転がっています。
だから、『キャリアに味わい深さを』です。
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