思考を奪うな

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思考を奪わない【人材育成】先輩の「教えたい」に要注意!

「人を育成する」って、どういうことだろう?

人事で10年やってきた僕も、これは永遠のテーマです。

ただ、これは気を付けないといけないと思うことがあります。

「思考を奪ってはいけない」

よかれと思って教えていることが、成長の阻害になっているとしたら?

【僕の心がけ】思考を奪わない。

人はどんな時に生産性が上がるか?

僕はこう思います。

自分で考え、試行錯誤しながら改善し続ける主体的な姿勢の時。

主体的=自分で考える

だから「自分で考える機会」を奪ってはいけない。

ただ与えられた仕事を何も考えずやっていても、生産性は上がらないと思います。

なにより、自分で考えながらやるから仕事が楽しい!

 

【僕の心がけ】質問をする

例えば、チームで部下と一緒に何かを達成するために企画をする時。

経験豊富な上司が、「これがいいんじゃない?」と最初に発言してしまったら?

(上司が言うんだから間違いないな。)

(反対意見を出したら機嫌を損ねそうだからやめておこう。)

部下は考えることをやめてしまう。

本当はもっといい意見があるかもしれないのに!?

これは、チームの力が発揮されていないんじゃないかと。

全員の意見が出て、その中から選んだり組み合わせたりするから、よりよいものが生み出せる。

思考を奪うことはチームの可能性を狭め、部下の成長を遅らせる。

 

そんなときは

僕の中に答えがあったとしても、「う~ん、どうしようね」と一緒に考えます。

「○○さんは何かある?」

「今まで見たことあるものは?」

「全員で一旦紙に書いてみよう。」

質問を投げかけます

質問をされると頭は考え始めるものです。

特に目の前の人から質問されると。

 

1対1の面談の時もそうです。

「どうすればいいですか?」と相談をされたとしても、すぐには答えない。

「う~ん、そうだなあ…」

「何があったの?」「詳しく聞かせて?」

「どうしてそう思ったの?」

やはり質問をする

答えは僕の中にはないからです。

せっかく相談に来てくれたなら、

質問して思考を与えるようにしてあげたほうがいい

答えを与える=思考を奪う

思考を与える=自分で解決する力を与える

 

【僕の心がけ】フレームを与える

僕はよく、フレームワークを使います。

フレームワーク=思考の枠組み

戦略策定や企画がうまい人、クリエイティブな人は無意識に独自のフレームを持っていたりします。

 

フレームの例

紙一枚で振り返りする。

①結果(数字)は?

②ダメだった点は?

③良かった点は?

④もっと良くするには?

こう書いて渡すだけで、その人は“思い付きで”改善案を出すことがなくなる。

  • 数字の誤差を知ることで、目標地点が明確になる。
  • 直すべきダメだった点が分かる。
  • 伸ばすべき良かった点が分かる。
  • ④の精度が上がる。

 

全く経験がない人も、すでに慣れている人と遜色ないぐらいの振り返りができるんです。

【採用戦略策定のフレームワーク】

【目標設定のフレームワーク】

【行動計画のフレームワーク】

など

チームで企画をするときにはよく使う。

これも、全員が思考する力を引き出すツールですね。

 

生産性がプラス領域のチーム

みんなが思考し、楽しんで仕事をすれば生産性が上がります。

 

条件(衛星要因)をいくらよくしてもダメ

条件(衛星要因)とは、例えばこういったものです。

  • 休日・休暇
  • 残業削減
  • 時給・給料
  • 安全

このあたりをいくら良くしても、生産性は上がりません

下がりづらくなるだけです。

 

しかし目に見えて求められるのはこういったものばかり。

「それをよくしたら頑張ってくれるんだな!?」と思ってしまう。

残念ながらこんなもので頑張る社員は、もともと自走力のある一部の人だけ。

休みをあげたら仕事が楽しくなるのか?

僕は仕事行きたくなくなる。(笑)

時間が短くなったら仕事が楽しくなるか?

長過ぎは絶対ダメですけどね。短くなっただけでは不十分です。

仕事って、一生懸命が楽しいと思いませんか?

楽しいから一生懸命になるんですよね。

 

個人が考えて主体的に行動する

仕事が楽しくなるとき、そこには必ず「主体性」があります。

思考なくして、主体性はない。

個々人が自ら考えて自分から行動することで、仕事は楽しくなる。

だから、思考を奪っておいて「楽しく仕事しろ!」なんて言うのはおかしな話。

 

部下や仲間に楽しく働いてほしい!そう思うなら

  • 質問をする
  • フレームを与える
  • 思考する時間を与える
  • 思考する場をつくる
  • 答えをすぐに与えない

「あ、意見出していいんだ!」

「自分で変えることができるぞ!」

そう思ってもらえる状態が大事ですね。

上司が自分のアイデアや考えを押し付けるだけのチームは、全員が思考するチームには絶対に勝てません。

 

思考が止まる?進む?「悩む」と「考える」の違い

「悩む」と「考える」って、ニュアンスが違いますよね。

何が違うんでしょうか?

 

僕は、悩むというのは“思考が止まった状態”じゃないかと思います。

次の糸口が見えない。どうしたらいいか分からない状態。

悩む=思考停止

考える=思考中

 

悩む姿は暗く見える

「悩む」姿を想像してみましょう。

苦い暗い表情

落ち込んだ姿勢

頭を抱える

うなだれる

ため息

こういったものを思い浮かべますよね。

「悩む」は後ろ向きなんです。

 

もうそれ以上思考できない、考えられない、先に進めないという時に人は悩みます。

んな時は誰かに相談するのが一番です。

誰かに相談するということは、

違うフレームを自分に与えることです。

 

今までなかった思考の枠組みを与えられれば、そこから考え始めることができますよね。

先に進む階段さえ見えればいい。

扉がある方向さえ教えてもらえればいい。

一歩ずつでも進んでいる感覚、 理想に近づくために次に何をすればいいのか見えている時、人は楽しくなります。

 

考える姿はかっこいい

では、考える姿はどうでしょうか?

目が上を向く

顎をなでる

紙に書く

何かを見つめる

「考える人」の像

考える人の像を思い浮かべる人は多いかもしれませんね。(笑)

あの像が、顎ではなくて頭を押さえていたらどう思いますか?

考える姿は絵になる。

 

実は、人間の体の構造姿勢から受ける印象は密接に関係しています。

悩に苦しむ印象

【思考停止】

・脳に酸素が行きわたっていない。

・首筋が緊張している。

・周囲の情報を遮断している。

・自分の中でふさぎ込む。

深く考える印象

【頭が回る】

・脳に酸素が行きわたる。

・首筋が弛緩している。

・周囲から情報を得ている。

・アウトプットしながら。

だから“うなだれていたら”考えているように見えない。

画面を見ながらや書きながら“考えているように”見える。

 

作るべき環境は、考えられる環境です。

・リラックスできる環境。

・分析、資料、結果などの情報。

・アウトプットする時間やツール。

・質問。

・フレームワーク(考えを出すスペース)。

 

本当の育成とは、自ら考えて主体的に動く人材を作ることだと思います。

決して答えを教えることではない。

ポイント

楽しく働ける人材を育てられることが一番。

 

今与えようとしているのは、答えか?思考か?

担当者は気を付けて教育にあたってみましょう。

 

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宮内 利亮

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