令和に入り『個人の時代』がより鮮明になってきました。
だからこそ、元人事部長の僕は言いたい!
社内で「しないで星人」になっちゃいけないよと!
上司に求めるばかりでは、来るべき個人の時代に必要な能力が衰えてしまう!?
上司と部下の新しい在り方とは?
スポンサーリンク
元人事部長の部下時代
上下関係が苦手だった
僕は元々中小企業で人事部長をやっていました。
そこそこ昇進したということです。
でも、そんな僕は上下関係が苦手だった!
意外かもしれませんが、実はそんな僕の特性があったからこそ人事で活躍できたのだと思っています。
今回の結論から言うと、こうです。
上司にアレコレ求め過ぎる人は、上司になったら活躍できない。
上司に文句ばかり言う人は、意外と自分が上司になった時に何も出来なかったり部下から嫌われたりする。
これは僕の実感値です。
なんでなのか!?ということで今回考えてみます。
僕がなぜ昇進し続けることができたのかを考えてみました。
学生時代からバンドをやっていたりしていたのですが、一緒にやっていた先輩はとても優しく、超子供な僕を受け入れてくれました。
体育会系でもないので、上司や先輩に対しての礼儀がなってなかったと思います。
でも、そのおかげで上司や先輩たちを“対等に見る”ことができていたと思います。
するとどうなるかと言うと、「上司なんだからこうじゃないとダメでしょ!」ということは一切思わなかった。
上司は・・・
- 怒っちゃいけない
- 否定しちゃいけない
- 指示くれないと分からない
- 手を貸してくれよ
そんな風に上司に求めることはほとんどありませんでした。
「全部自分でなんとかできることでしょ」と思っていたんですね。
この時の“自分で解決しようとする姿勢”が僕を昇進させてくれたのだと思います。
気に入らなければ逃げることだってできるし、上司に対して起こっちゃいけないなんて法律もない。
対等、いえ、むしろ部下時代の方が有利だったと今は思います。
めんどくさいやつだった
だから僕はよく「めんどくさいやつだ」と言われていました。
違和感を感じたら上司にでも言わなきゃいけないと思っていたので、言葉は選びながら問題提起していました。
上司にとって都合の悪いことがたくさんあったと思います。
「自分はそうは思いません」という“あばれるくん”みたいな感じです。
あんなに熱意は込めませんが。(笑)
自分の意見を述べる時には感情発進では絶対ダメで、根拠が必ず必要になります。
(僕は何度も感情発進して失敗しました)
社内の構造を確かめて、問題となる点を見いだして、違和感を確信に近づけてからでないと上司と対等な視点には立てません。
上司と同じぐらいかそれ以上考えていないと、意見は通りません。
逆に言えば、それをすれば部下だって中小企業程度なら動かせる。
上司を差し置いてでもです。
人事部長にまで昇進できた僕は、誰より上司から煙たがられていました。
上司に気に入られて昇進する人は、どこかで社内キャリアも止まります。
社長はしっかり見てくれていたんですね。
「しないで星人」になるな
そんな僕から、企業で頑張る人へのアドバイスです。
組織に頼るなら頼る覚悟を
「組織に頼っている」という実感を、少しでも持つことは大事だと考えます。
上司に「怒ったら言えなくなるから怒らないでよ」と思う気持ちはとてもよく分かります。
イライラしないで、無視しないで、差別しないで、放置しないで、しないで・・・しないで・・・
「自分が活躍しやすい環境を用意してください!」と言っているんですね。
確かに、これは会社にとって大切なことです。
会社は社員が働きやすい環境を用意することで生産性をあげることが命題です。
しかし、新しい時代に本当にそれで大丈夫だろうか?
人生100年時代。
会社にいるうちは環境がいいので、会社にとっては良いことです。
「どうぞ頼れるだけ頼ってください。」といわんばかりに、会社にとってのメリットでもある。
でも、個人にとってはどうですか?
定年以降は?会社がつぶれたら?リストラされたら?
組織に頼ることは、これからの時代リスクにもなるということを覚えておいてください。
組織に頼るなら、自分の成長を先送りしているという覚悟を持つ。
マックスで成長したいけど上司には文句を言いまくるというのは、虫の良すぎる話です。
何よりも必要なのは『主体性』。
組織に活かされる力ではなく、自分で生きる力です。
「しないで星人」が上司になった時の実感
一見「しないで星人」は会社のために色々と物申しているように見えます。
同僚からの信頼も厚く、「あいつなら会社を変えてくれそうだ」と期待を持たれる。
でも、実感として「しないで星人」が上司になると何もできないで終わる。
あれしないで、これしないでと言っていたから、自分も何もできないんでしょうか?
いえ、僕は根っこはもっと深いと思います。
今までは“されて嫌なことをしないで”と言っていることが周囲の役に立っていた。
でもそれはあくまで自己中心の発信だったんですね。
だから自分が上司になった時に“何をしたらいいか分からない”んです。
今まで上司に攻撃的なベクトルを向けていることが正解だったのに、今度はどこにベクトルを向ければいいのか?
会社の事業における主体性がないということです。
結果、やることはほとんどズレていて、部下からの信頼も失う。
自分中心ではなく、“組織のためにそれはするべきではない”と思える人が上司になっても活躍していくと実感しています。
主体性がない上司に実力はない
上司というものは、視座が高くないといけないですよね。
自分で考えたり解決方法を模索したり、部下よりも主体的に動ける人でないといけない。
主体性がない上司は、実力がない。
実力がない人はどうするでしょうか?
立場を守ろうとする。偉そうにするので必死になる。
そう、「しないで星人」は部下から疎まれやすくなってしまうんです。
何度も書きますが、『主体性』がこれからの時代のカギです。
つまり、『自分は何がしたいのか』です。
組織の中にあっては、主体性のない上司は上司の役目を果たせない。
これは昔の時代も一緒でした。
これから大変なのは、個人の時代に入り組織にばかり頼ってはいられないということ。
今まで「しないで星人」で定年まで耐えられたけど、これからは厳しいということです。
スポンサーリンク
【令和キャリア】部下だからって甘えちゃいけない
スキルや立場よりも人間的価値
令和に入り、個人の時代と言われ、働き方はより自由に、組織に頼らない方法を選択できるようになってきました。
そんな時代に大切なのは、自分が個人として成立することです。
「部下だから」といって環境づくりを上司に頼っていたら、自分のキャリア主体を失います。
でもそのキャリア主体とは何か?
それは社内の役職ではなく、長い人生の道です。
この長い人生の道で、スキルや立場・役職は大して重要ではない。
より根本的で、汎用的で、どこに行っても通用する力、『人間的価値』とも言えるでしょう。
全てが変わりゆく時代、より普遍的な価値を高めることが大切。
上司も部下も対等
会社に所属していても、副業をしていたり社長をしていたりという時代になってきます。
だから上司と部下の上下関係は絶対的ではなくなってきます。
部下を対等に見れる上司が信頼され、より価値を高めていく。
上司を対等に見れる部下が成長して、より価値を高めていく。
お互いが“対等である”ということを意識することで、社会人全体が主体性を取り戻していくでしょう。
お給料が違うのは当然です。
やっている仕事の難しさ、社内の責任の重さが違いますから。
だけど、自分のキャリアに対する責任は全員が等しく100%持っています。
個人の時代に備える
「しないで星人」になってはいけません。
令和の上下関係は、上司も部下も対等。
それが新しい時代の在り方だと思います。
なぜなら、自分のキャリアはどこまでいっても自分のものだから。
もっと自由に、もっと主体的に。
それが個人の時代に備えるということだと思っています。