将来のキャリアプランを考えると、無駄なことをやっている余裕はないように感じることがある。
早く自分の専門性を身に付けないとと焦る気持ちはとても分かる。
でもその専門性に特化したところで、それ1本で本当に大丈夫なのか?
人生100年時代の安定とは?
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【キャリアの軸】一点特化の危険性
『強み』は確かに必要
キャリアは人生の道。決して社内での昇進だけをキャリアと呼ぶわけではありません。
長い人生の道を歩むうえで、プランがないと不安な人や、より突き抜けたキャリアを描くために何かの職業に特化したいという人は多いでしょう。
つまり『キャリアの軸』を持ちたいということ。
今回は「キャリアの軸はブレていいんじゃない?」という話です。
ただ、そんなことを言うと何の専門性も持たなくていいと思われてしまうので、それは違いますと最初に言っておきます。
ブレてもいいけど、強みや武器は必要です!
これからは特に、会社に所属することだけがメリットではなくなってきます。
会社の資源を手離した時に自分に残る何か、スキルや汎用的能力、強みが欲しいはずです。
この強みを自覚し、行く先々で伸ばし、また違う力を身に付ける。
そうして学び成長し続けることが大切です。
「誰にも負けない強みが欲しい!」確かに、その通り。
あれば越したことはありません。
だけど、何かで一番になることが全人類にとって実現可能でしょうか?
そう、プロスポーツ選手になるようなものです。
何かで一番を目指すより、複数の組み合わせによってオンリーワンを目指す方が現実的。
しかも大切なことは、スポーツと違って“仕事のルール”は守られない。
社会に必要とされる職業はめまぐるしく変わっていくんです。
つまり、職業を限定した一点特化は危ないということです。
人生100年~1本じゃ足りない!?
これからは「定年してもお金を稼いでね!」というのが世界の本音でしょう。
労働だけが生産性のある仕事ではないので体を動かすかどうかは分かりません。
でも健康寿命が延びていくことは確実だと思います。
ひとつ言えることは、100年もあれば世界は想像もつかない世の中になっている。
これだけは“確実”です。
自分の専門分野が、将来なくなっている可能性は大いにある。
ここにはぜひ、どの職業も楽観視しないでください。
「ウチは大丈夫でしょ」と思ってはいけない。
なぜ、どんな世の中になるか想像もつかないのに、自分の仕事だけは大丈夫だと思うのか?
仕事に誇りもあり、社会的価値を感じているから、信じたいバイアスがかかっているかもしれません。
でも、技術革新は誰の予測でも追いつくことができないような、偶然の産物を生むことがあります。
人がやっていた仕事を機械がやるようになるかもしれないし、そもそも別の価値にとって代わられるかもしれない。
僕が経験している“ここ10年”だけでも様々な変化がありました。
レジからは人がいなくなり。
事務作業をする人は減り。
工場の人員は削減され。
本屋・CD屋・中古ゲームショップがなくなり。
仕事人生が今までより30年延びたとき、さらに会社から抜けないといけないとき、1本の軸だけでは不安すぎるんです。
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【キャリアの軸】人生の道はブレていい!
“らせん”にキャリアを形成しよう
キャリアはブレブレでいきましょう!
ただし、先ほど書いたようにいくつかの強み・専門性は持っておいた方が当然いいんです。
実はそのためにも“ブレる”ことが大切なんですけどね。
いくつかのキャリア軸を持ちたいけど、そうそう簡単に計画的に取得できるものではありません。
キャリアの8割は偶然出来上がるようなものだという理論もあるぐらいです。
だからこそ、その偶然を引き起こすために、色んなことに興味を持てることが重要だということです。
“らせん”をイメージしてみてください。
何かひとつ、他の人より少し専門的に出来ることがあるとします。
その周りをぐるぐる回るように、興味の幅を広げてみましょう。
たとえば『プログラミング』が得意だとしたら、その能力を使ってフリーランスになりたくなった。
すると、自分を売る『マーケティング』が必要で、その専門性も少し身に付くことになる。
自分を表現するために自己分析したところ『美術部』だった時の自分の経験が活きていると分かり、『美術的プログラミング』と命名する。
もっと『アーティスティック』な感性を活かせると感じ、深掘りをはじめた。
その自己分析と自己表現の仕方は、他の人にも応用できるんじゃないかと感じ『独立支援』も始める。
アーティスティックとプログラミングを掛け合わせ、『芸術プログラミング思考』というメソッドを開発する。
といった具合です。
らせんを描いていけば、意外と簡単にキャリアの軸は増えていくものです。
“らせん”にキャリアを描くことで、安定したキャリアを手に入れる。
あなただけの個性
ここで重要なのが、『自分だけ』に限りなく近いということです。
厳密には似たような人もいるかもしれませんが、それは大した問題ではありません。
自分の経済圏・生活範囲内でオンリーワンならそれでいいのです。
自分の経験×自分の興味×自分の能力=自分だけの個性
特にオンリーワンに近づくために重要なことは何だと思いますか?
それは、『興味』です。
一見なんの関係性もなさそうな自分の興味と社会に求められていることが重なったら、それはとんでもない強みになります。
たとえば僕の場合、思考特性・行動特性の勉強をしたときにとても強く興味を持ちました。
そして資格も取り、専門家になりました。
その後会社を退職し、キャリアコンサルタントの資格も取りました。
これが今、一番クライアントに喜んでいただける『特性分析×キャリアコンサルティング』という商品になっています。
そんな商品を生み出すとは、全く思っていなかったのにです。
そこに『元人事部長の経験』という超現実的な視点が加わり、“オンリーワン”と言えるキャリアになっていると感じます。
あなたの過去にも、そんなお宝が隠れているかもしれません。
らせん状にさかのぼってみるのも面白いですね。
これから作っていくのなら、『興味』というセンサーをビンビンに働かせてみてください。
遊びがある人生ほど面白い
人生なんのためにあるのか?
この問いは永遠の課題です。
僕にとっては『労働するため』ではありません。
もちろん労働して得た対価で生きていくことは良いことですが、労働そのものを生きる目的と思っていません。
人生、楽しい方がいいと思っています。
ブレまくって、遊びの多い人生の方が、最後に「楽しかった」と言えそうです。
ただ、これが本当の遊びでは収入は得られない。
それは消費であって生産ではありません。
だから、興味のあることで遊ぶように仕事するのが最高じゃないかなと思います。
僕の場合ですが、人の特性についてディスカッションすることがとても楽しい。
新しい人の考え方に出会ったり、「やっぱりそうか!」と感じたり、人と人の違いを発見することに面白さを感じます。
そしてそれをそのまま喜んでくれる人がいるので最高なんです。
あなたにとって、仕事にも興味にもなり得るものはありますか?
もしなければ、ブレがまだ足りない。
つまり、まだ人生に遊びが足りないのかもしれません。
変化に強い自分を作る
コマを想像してみます。
中心の軸の周りを取り囲んでいる物が回り、その遠心力で立っていられます。
僕はこれが、本当の安定だと思っています。
人生100年時代の安定とは、回り続けるコマのように『変化し続ける自分』であること。
コマが何かに「コツン!」と当たった時、軸はブレます。
でも周囲の遠心力が働き、軸が動いた場所でまた安定し始める。
もしも“その場所でしか回れないコマ”だったら、ちょっと何かに当たっただけで簡単に倒れています。
どんな障害に当たるか分からない令和以降の時代。
明治から続く価値観を捨て、ブレるからこそ安定する自分のキャリアを形成していきましょう。