大人気の『鬼滅の刃』。
人気が出る前から読んでいた僕が「これはすごい」と思っていたのが“呼吸”です。
禅や武道でも呼吸は基本であり、ビジネスの世界でも大切なものだからです。
子供が呼吸の力に気付いたら、とても素晴らしいことですね。
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呼吸で強くなる『鬼滅の刃』
「○○の呼吸」で全集中
あなたは『鬼滅の刃』を読んだ、もしくは見たことがありますか?
キャラクターが魅力的で、ハッとする言葉も多くて、読みだすと止まらなくなるぐらい面白いですね。
実は、僕は連載が始まったころからずっと読んでいました。
なぜここまで人気が出たのかは思い当たる節が多すぎて何とも言えませんが、当初から「これはすごいぞ」と思っていたことがあります。
それは、“呼吸の力”に着目している所です。
『鬼滅の刃』では、正しい呼吸を身に付けると強くなる。
あまり呼吸に着目した作品は見たことがないので、とても新鮮だったのと同時に「そうなんだよね!」という共感がありました。
ビジネスの世界でも呼吸はとても大切。
今なら誰もがこれを分かってくれそうな気がしてきました。(笑)
もちろん水や炎が出せるわけではないですが、古くから禅や武道で呼吸は重要視されています。
あの“ジョブズ”も禅で呼吸法を学びに来たぐらい。
作品中では「全集中」という言葉が使われていますが、まさにこの全集中を学んだ子供たちが社会に出たら…。
とても素晴らしい未来がやってくる気がしています。
集中してる時の主人公
読んだことがある方は分かると思いますが、戦っている最中の描写がすごいんです。
主人公の考えていることが、ひとつひとつ丁寧に言語化されている。
戦っている最終の「考えろ!考えろ!諦めるな!諦めるな!」というシーンが何度もあったと思います。
僕はあそこが大好きです。
いつもかなりのピンチになって、読者としては「もうダメだあ~」と思わせられる。
だけど主人公の炭治郎は決して諦めずに、とにかく鬼の首を切ることだけにすべてをかけて集中するんですね。
そんな姿に読者はぐいぐい引き込まれ、あっという間に読んでしまう。
同時にキャラクターへの人物的好感や憧れを感じさせます。
これが“集中がない”ただのバトルだけの描写だったら、飽きているかもしれない。
炭治郎への思い入れも、一貫性のある彼の思考が事細かに表現されているからこそ強くなっていきます。
「全集中の呼吸」がバトルをとても面白くしていて、他の作品との差別化になってるのではないか。
その他のバトル漫画もたくさん見てきましたが、全てに共通しているのは“主人公が勝つ”ということ。
主人公が負けて終わる作品は、意外性はありますが面白くないんですね。
鬼滅の刃でも炭治郎はどんどん強くなりますが、ある種の当たり前感を感じない。
それほど、戦いの中で全集中の描写が面白いと思っています。
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ビジネスマンにも必須の“呼吸”
唯一の自律神経制御方法
では、どうして“呼吸の力”に着目していることがスゴイのか。
それは、呼吸が人間にとって唯一“自律神経を制御する方法”だからです。
そしてそれが仕事の上でも活きるからです。
普通、自律神経は制御できないから自律神経なんです。
心臓は勝手に動きますよね。
だけど、もし意識して呼吸を止めたら心臓もやがて止まる。
呼吸を早くしたら、心臓も早く動きます。
普段はあまり意識しないものですが、呼吸は意識することができるんです。
速く、遅く、浅く、深くを意識して呼吸することができる。
だから、特に瞑想を行うヨガなどでは呼吸が最も重要とされています。
長く持続させるには、正しいヨガの呼吸法が必須です。
また、ボクシングなどではわざと呼吸を浅くし、瞬発力を高めることもあります。
緊張する場面で、ミスが出来ない場面で、堂々としたい場面で・・・
仕事の「ここぞ」という時や、普段のたたずまいまで。
呼吸はとても大きな影響を与えていて、それはある程度意識して制御できるんです。
深い呼吸が変えるもの
基本的には、深い呼吸の『腹式呼吸』が大切です。
深い呼吸をすると、鼓動は落ち着き、肩の力が抜け、血が巡り、思考が明確になります。
例えば、腹式呼吸をしたまま本気で“キレる”ことができる人間はいません。
“キレる”というのは、まともではなくなり思考が停止した状態です。
肩がいかり、首の筋肉が硬直し、頭に昇った血が循環しなくなった状態です。
どうでもよくなった時になる状態であり、全集中とは真逆と言えるでしょう。
深い呼吸は、深い思慮を与える。
落ち着きながらも思考の速さを得て、最善の道を選択する方法。
アイデア勝負の仕事でも、たくさん入れまくった情報はそのままでは繋がりにくい。
そんな時は呼吸を深め、一度頭の中を空にしてクリアにすると急に繋がったりするものです。
- 冷静に分析をする時。
- アイデアを出す時。
- 人との関係を良好にする時。
- 着実な仕事を求められる時。
すべてにおいて呼吸が影響しています。
『出来るヤツ』の印象
『出来るヤツ』を思い浮かべてみましょう。
背筋がピンとし、まっすぐ正面を向き、冷静で落ち着いていて、かつ穏やかで思慮深い。
このような外見だと『出来る』という印象になりますよね。
なぜなんでしょう?
なぜそういう人を『出来る』と思うような感覚を人間は持っているんでしょう?
背筋が伸びて顔が前を向くと、首筋の筋肉が弛緩する。
すると脳に血が巡り、思考回路に酸素が回る。
思慮深くなり、いつも穏やかで落ち着いていることができる。
つまり、深く呼吸が出来る人の特徴です。
こういった判断を頭の中で考えなくても出来るように、人間の本能にプログラムされているのではないでしょうか。
遠い昔から、『出来るヤツ』=『呼吸の深い人』という判断を人間はしている。
だから『鬼滅の刃』で“呼吸の力”に着目している点はすごいんです。
大切な仕事の前には、“全集中”するために呼吸を深くすることを意識してみましょう。
肺ではなくお腹でですよ。
掌に人と書いて飲み込むより、よっぽど効果があるはずです。