社会ではまだ、なかなか根付かない『企業内キャリアコンサルティング』。
会社側はその必要性を感じていないし、キャリアコンサルタントは経験不足で“問題と持っている知識を繋げられない”場合も多い。
面談だけで終るなんてもったいない!もっと活かそう!
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キャリアコンサルティングを社内でやるって?
「社内キャリアコンサルティング」って、何をやるんですか?
と聞かれると、魅力的な返事の出来るキャリアコンサルタントは少ないでしょう。
「社員の個人面談をして、キャリアに関する悩みを解決するんです。」
と言われても、ほとんどの会社はそれ自体に魅力は感じません。
そればかりか、「それじゃあ退職する社員が増えるんじゃないのか?」と余計な心配までしてしまうかもしれない。
せっかく世の中には素晴らしい志を持ったキャリアコンサルタントがたくさんいるのに、その活かし方を企業もキャリアコンサルタントも知らない。
ただ面談をするだけではない、キャリアコンサルティングの活かし方とはどんなものがあるでしょうか?
【企業内キャリアコンサルティング】の活かし方
何が足りない!?『キャリア』問題の背景を知る
まず、キャリアコンサルタントの大きな強みは「キャリアに関する知識」と「問題意識・志」です。
これは実は、多くの企業に足りないものなんです。
そもそもなぜ、キャリアを勉強する必要があるんだろうか?
キャリアコンサルタントなら誰でも知っていることです。
大人が学べない「キャリア教育」
大人が起こしている問題から生まれた「新学習指導要領」
新しい時代に必要な「基礎的・汎用的能力」
子供たちの教育が変わったことを、知っているだろうか。
それが今の大人社会にある問題を解決しようとするものだということを知らなくていいのか。
すでに社会にいる人が基礎的・汎用的能力を身に付けず、このまま何十年もやっていけるんだろうか。
このキャリアコンサルタントなら誰でも知っていること、危機感に感じていることを社内でも共有する。
それは今後の社会の持続可能性を左右する、とても大切なことだと思います。
自己理解が生む主体性と、他者理解
キャリアコンサルティングでは、最重要課題となる『自己理解』というものがあります。
その名の通り、自分を深く理解することです。
日本人は特にこれが弱いと言われていて、自分を確立できないからその他の人達にも同調を求めるんです。
あなたの興味領域は何ですか?
あなたのキャリアアンカーは何ですか?
あなたの思考特性は何ですか?
あなたの行動特性は何ですか?
あなたの学習履歴は?スキルは?
みんな占いとか性格診断が大好きなのに、なぜか胸を張って「私はこういう人間です!」と言える人は少ないですよね。
だけど自分を持っている人は分かっています。
「自分と人は違うんだ」ということを。
そして自分の在り方を肯定できる人は、他人の在り方も肯定します。
自己理解が自覚と主体性を生む
「人は違う」という組織内理解・多様性に会社の未来がある
組織にとってとてつもなく価値のあること。
それは、個々の力を活かすことです。
組織を活かすには、社員みんなが自分を知り、人の違いを理解することが必要なんです。
せっかく違う役割で違う性格で同じ会社にいるのなら、活かし合うことで何倍もの力に変えることができます。
自分を理解したり会社が個人を承認したりする前に社員同士を比べてしまうから、個々の力を打ち消し合う社内になってしまうんですね。
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恐れない!転機の乗り越え方を知る
社員は時に不安になります。
「この会社にいて未来はあるんだろうか」と。
実はこれは、自信のなさの表れでもあります。
どんな環境に変化しても“乗り越え方”を知っているのであれば恐れることはない。
「転機の乗り越え方」と「自己理解」を活用し来るべき将来の転機に備える
キャリア理論には『転機』という考え方があります。
すでに理論として確立されているにも関わらず、あまりに多くの人が“知らずに転機を迎える”状態です。
これを、すでに予測できていたらどうでしょうか?
さらに、転機の乗り越え方までが研究されつくしている。
こんなに大事なことが、なぜ学校で教えられないのか?と思うほどのものです。
未知のものを既知のものにして、対処法まで立てておく。
災害に備えることよりも、必ず起こる自分事なんです。
キャリアを形作る「プランドハップンスタンス」
これはキャリア形成の常識的なところをほとんどの社会人が勘違いしているものでもあります。
キャリアを形成するためには、キャリアプランがあった方がいい。
それは確かに間違いないですが、そのプランはその通り行かないと失敗になるというわけではない。
プランは偶然を呼ぶもの
「プランドハップンスタンス」を活用すれば、思うようなキャリアに近づく
プランドハップンスタンス理論とは、キャリアの8割は偶然で形成されるというものです。
じゃあ何も考えなくていいのかというと、そうではない。
何も考えないでいるとただ流される一方です。
しかし、自己理解を進めて自分の興味領域に自信を持ったり、キャリアプランを立てることで人生は確実に変わる。
その方向の経験や知識を拾い集めることができるんです。
例えば、「海外で仕事をしたい」と思っていたとしましょう。
1年に1回思い出す程度では、何も変わらないでしょう。
「本当は海外で働きたかったな」と10年後も言い続けているはずです。
しかし、週に1回は思い出し、出会う人みんなにこの思いを伝えていたらどうなっていたでしょう?
きっと誰かがその思いにこたえてくれるし、海外に行くための本気度は全く違う。
自覚していれば本気度は増し、海外に行くための情報を拾い続けます。
偶然がキャリアを作るなら、その偶然が起こりやすい環境を作っておくこと。
周囲の何かを成し遂げた人を見てみましょう。
必ずプランドハップンスタンスが良い影響を与えたプロセスがあるはずです。
傾聴スキルで組織の力を引き出す
また、キャリアコンサルティングはカウンセリングです。
このスキルは、上司全員が持っていて欲しいと思いませんか?
社員の話を聞き、まだ言葉になっていない思いを引き出していく。
部下の中で“モヤモヤ”だったものが、上司のカウンセリングスキルによって晴らされていく。
カウンセリング理論と実践で傾聴スキルを磨く
個人・組織の力を引き出すコミュニケーション
しかし、各企業でカウンセリングのスキルを上司に持たせていることは少ない。
それよりも、思い通りに動かそうとしてしまうんですね。
これはあまりに前時代的な、人口増の時代の考え方です。
今の社会では、社員は何かを我慢して働いている状態です。
働く目的の統合もされていなので、主体的に働けと言われても無理があります。
話を聞いてくれない人の話を聞きたい人間がいますか?
人間はそういう生き物なので、不自然な組織はいずれ自壊していきます。
会社=人の集まりという本来の姿を維持していきたいですね。
と、いうわけで。
持続可能な会社を作るために、キャリアコンサルティングを社内でうまく活用してみてください。
「hikarikata!」社内キャリアコンサルティング