ティーチングからコーチングへ

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学校のキャリア教育【教師の役割】はティーチングからコーチングへ

2020年春、つくば市の小学校で「教育大綱」が配布されました。

全国に広げたい素晴らしい内容の中で学校の教え方の変化について書かれている。

教育現場をどのように変えることが、子供たちの未来・社会の問題解決に繋がるのか?

そして親はどうすればいい?

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教師の役割の変化

ティーチングからコーチングへ

ウチの子が小学校から持ち帰ってきた、つくば市の2020年「教育大綱」。

中でも印象的だったのが、僕もなんとかしたいと思っている教育現場の体制について書かれていたことです。

 

つくば市教育大綱

教師の役割は教え込みを中心とするティーチングから、問いを投げかけ主体性を引き出すコーチングへとシフトする。

 

新しい社会での第一の課題。

それは「主体性」です。

 

言われたことを言われたとおりにこなす力よりも、自分で考えて動き出す力が必要とされます。

 

ということは、子供が自分の頭で考える習慣が必要になる。

ティーチングは頭の中に入れ込むイメージですが、

コーチングは頭の中に風を向きこんで化学反応を起こさせるようなイメージです。

 

つまり『問う』ことが大事なんですね。

 

『問い』続ける

僕が社員に教えていたことの中でも、最も重要な部分であり、会社の利益も本人の人生を大きく左右する感性があります。

それがまさに、『問う』感性です。

 

それは本当か?

どの角度から見て?

別の観点で見ると?

この先ずっと大丈夫?

だとしたら次はどうなる?

 

『問う』感性があれば、様々なことに疑問を持ち、情報を収集して方向修正したり新しい施策を思いついたりできるようになる。

この『問う』感性は、『問われる』ことによって育ちます。

コーチングにより子供たちに『問う』ことで、視点や選択肢が増える。

自分で考えられる=主体性

 

大人が社会に出てから磨いている感性を、子供のうちから磨くということです。

この習慣がある子供たちが社会に出たら、強いですよね。

 

楽しんでいるか?合っているか?

だけど、小学生って難しいんですよね。

何が難しいって、学習に本気になることはほぼありません

 

社会での危機感を持つことはできないのに、勉強をしろと言われてもなかなか身が入らない。

「楽しい」「おもしろい」に一生懸命です。

 

また、「楽しい」と感じるのも人それぞれです。

みんなで一緒にやるのが楽しい子もいれば、一人黙々とやりたい子もいる。

この各人に合わせた環境をいかに提供できるかが課題になってきますね。

 

そして、教師自身が楽しめるようにとも書かれています。

子供たちを「楽しませる」ことも大切だし、教師自身が子供の学びを支援することを楽しむことが大切。

 

ということは、学校の体制は変えないといけないことがたくさんあります。

効率化できることや無駄なことを省き、古い慣習を大きく見直す必要がある。

学校で一番はじめに取り組みたいのは、現場からの改善提案ですね。

 

一人ひとりが考える場をつくるには?

社会で今後必要とされるのは、自分で考えられる「主体性」を持つ人材です。

教育でも「主体性」を育てることが重要とされる。

 

この『考える場』をつくるため、すでに学校ではアクティブラーニングをはじめようとしています。

 

たとえば、道徳の時間にはディスカッションをして「私はこう思う」と発言させたり。

個人で考えてから、グループになって一度アウトプットインプットをさせたり。

教育の現場は試行錯誤を繰り返し、どんどん変わっていく。

 

そこで、僕は親として思うことがあります。

家庭という自由が利く場所でもできることがある。

家でこそ『考える場』が必要だ。

 

学校なら他の子供たちがいて、新しい価値観を学びやすい。

家庭なら自由が利き、アウトプットや実践がしやすい。

家庭内で子供の頭・手をフル活用させる。

 

教師と親が相互に協力して子供たちの教育にあたるような体制が、今後求められる姿ではないでしょうか。

 

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親の影響力が大きくなる

学校で子供たちに「考えさせる」場面が増える。

同時に親はどうあるべきでしょうか?

 

子供の『リソース』

『リソース』とは資源のことです。

子供たちが考える場があったとしても、ゼロからは何も生まれません

(酸素という資源がないと水も空気もないから生きられないのと一緒です。)

 

「思考」というのは、見たこと聞いたことの処理です。

外からの情報を使って、足したり引いたり組み合わせたりすること。

『リソース(資源)』となる情報をたくさん与える。

コミュニケーションにより社会で起きていることに触れさせる。

 

たとえば道徳でディスカッションする時。

お父さんの会社で起きた“いざこざ”を知っていたりすると、

「こういう時はこういう考えになる人もいるんだよな」という選択肢が増えます。

 

ただの“善悪”という割り切れる簡単な問題だけなら、テレビで学べるかもしれない。

しかし、リアルで起きている問題の中から学べることも非常に多いです。

会社の出来事を子供との雑談の中に入れることで、様々な状況に対処できる「生きる力」の『リソース』となります。

 

子供の『選択肢』

とにかく『選択肢』を増やすことを目標にしてあげたいですね。

 

僕は新卒採用も長くやってきたし、社員教育もずっとやってきました。

中には、困難に直面すると急に思考停止する人がいるんですね。

 

たとえば、地震が起きた時にどうするのが正解でしょうか?

机の下に隠れて揺れがおさまるまで待つのが、本当に正しいと思いますか?

大地震が来たら、建物が倒壊しても安全な場所にとにかく逃げますよね。

だけど、思考停止というのは“ただその時が過ぎるのを待つ”ことしかできません。

 

答えを導き出せるリソースが、本人の中にないんです。

 

ポイント

『生きる力』というのは、困難や危機的状況に陥った時こそ、頭をギュンギュン回転させて答えを導き出すことです。

(疑似的走馬灯のようなイメージ)

 

いざという時の選択肢。

なりふり構ってられない時の選択肢。

上手くいっている時の選択肢。

職業選択をする時の選択肢。

 

子供のいろんな人生の場面で活用できるようなリソースを与え続けていきましょう。

 

キャリアは始まっている

僕はキャリアコンサルタントとして大人のキャリア相談をしていますが、「キャリア」は大人だけのものではありません。

 

「キャリア」=人生の道

 

キャリアは人の発達段階全てにおける道。

子供のころから、キャリアは始まっている。

 

かといって、子供にガチガチに将来のための勉強をさせてもあまり効果はありません。

小学生程度の子供の発達段階は、『興味』『憧れのイメージ』です。

 

つまり、『広げる』ことなんです。

 

子供は遊びの中で「楽しい!」「どうなる?」「なんだろ?」と広げ続ける本能を持っています。

だから親も、ティーチングではなくコーチング。

子供に『問う』ことで、興味を広げたり深めたりしてあげましょう。

 

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宮内 利亮

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