子どもたちに『教育』をしようとするとき、人口減とIT化社会により今までのルールが大幅に変わったことを意識しなければならない。
『個性』の時代と言われるこれから、学校の教育だけでそれは実現可能なのか?キーになってくるのは家庭内教育の方針だ。
学校だけではキャリア教育は出来ない
思考特性は打ち消し合う
まず最初に、このブログでも何度も発信していること。これからの教育は学校だけに頼ってはいけないということを前提にしていきましょう。特に個性の時代と言われるこれからは、いかに自分だけの特性を活かして社会に価値を与えていくかが大切になります。
一律の教育には限界があり、すぐに改革は成らない。今は家庭内での教育を大切にするべき時期と言えるでしょう。
個別の教育をするときに大切なのが、子どもの特性です。特に考え方のクセである思考特性。もちろん後天的な生活や環境によって変わるものですが、その変わり方が超重要。
子どもが生まれ持っている気質を伸ばしてあげよう!
子どもの思考特性には遺伝的な面もある。もちろん早期に教育をすればこの特性も大きく変えることができますが、ほとんどの家庭ではそんな英才教育をすることは難しいでしょう。
ということは、早い段階で子どもがどんな気質なのかを知ることが大切。ということは、人間の特性について親が学ぶことがまず第一です。(今回は詳しい思考特性の話ではないので、知りたい方は「思考特性」でブログ内検索してみてください)
なぜそれが大事なのかというと、異なる思考特性は打ち消し合うからです。
友達のことをとても大切にし人間関係を最重要にする思考特性が現れ始めた子どもに、「人は絶対信じるな。データと論理だけがこの世の真実だ。」という教え方をすると、子どもは素直に聞いてしまいます。
すると、本来の最も強みとなる部分を打ち消す思考特性を優先して伸ばすことになってしまいます。
それは右利きの子どもを後天的に左利きにしようとするようなものです。
ウチの家庭にとって、その教育は正解か?
学校の教育だけに頼るとどうなるでしょうか?
僕は、学校では『協調性』の在り方が少し違うと思っています。集団に馴染ませることが目的でもあるんですね。これはこれで社会では必要な事ですが、言い方を変えれば『我慢』です。本当は手を上げて先生に質問したいのに、その時間は許されていないから空気を読んで我慢することが正解になったりします。
本来であれば、異なる特性を理解し合い活かし合うことが必要ではないかと思います。
でも今の教育は、みんな同じになれと言われているようなもの。要因には教育構造の変更が容易ではないこともありますが、一番は人の特性にどんなものがあるのかすら知らないということがあるでしょう。
今の学校、個別教育をするには限界があります。テクノロジーの発達により個別教育が実現されるとしても、あと5年~10年は少なくともかかるでしょう。そうこうしていたら、あっという間に子供たちは社会に出てしまいます。
だから、
『それでいい』と言ってくれる場所が必要。
本来持っている個性を見抜き、伸ばしてくれる場所が必要です。家庭が一番実現可能な場所なんですね。
家庭では家庭の、子どもに合わせた教育方針を持ちましょう。
教育と言うと少し違う感じもします。勉強を教えるのではなく、もっと本質的なこと。「どんな体験を与えるのか」や「どんな自己理解をさせるか」の方針です。どの特性を伸ばすのかですね。
『凸凹』の凹も特性=強み
なぜ『特性』と言うのか?『強み』とは言わないのはなぜか?
それは、強い・弱いや高い・低いで表現できるほど単純なものではないからです。弱い面があれば、それも強みに変換できる。すべてが強みになり得るから、そのままでいいという意味で特性なんですね。
弱みなんて言ってしまったら、直そうとして結局強みを失うことになりかねませんから。
これからの時代に必要なのが『違い』です。今までは会社がこの違いを生むことで生き残りをかけてきました。今後はそれが個人に移行し、よりニッチな違いが求められてきます。
みんなと同じでは成功しづらいということです。その代わり、今まで弱みと言われていたものを修正せずに強みに転換することができる。
あえて「強み」と言う言葉を使うなら
凸凹の凹も強みになる特性
みんなと同じ形に整える必要はありません。むしろ逆に、その子だけの形をつくってあげましょう。偏食は健康によくないかもしれませんが、情報は偏っていい。
子どもを古い性質の協調性から解放し、親も不自由な教育から解放されましょう。
スポンサーリンク
令和以降のキャリア教育
『個別』に特性を伸ばし特化させる
つまり、書いていない教育で大切なのは『子どもの特性を伸ばし特化させる』ことです。
個別、個別と言われていますが、1人1端末で教育AIが開発されない限り学校ではまだ実現不可能です。塾でも特性に関する知識はないし、目的がすでに受験合格。キャリア教育はそれに加えてやることなんですね。
- 学校教育⇒集団生活
- 塾⇒受験勉強
- キャリア教育⇒個別特性
このように分けて捉えておきましょう。
それぞれのプロが教育を施しますが、一個人としての子どものプロは親でしかありません。個別教育ができる場所、「それでいい」と言える場所として、家庭内キャリア教育はとても重要ない位置付けになります。
各家庭の『方針』が大切
各家庭では、『方針』が大切。隣の家の子は関係ありません。あくまで「ウチはこうする」という方針です。
結局キャリアの責任というのは、本人しか背負うことができません。そこは親ですら責任を持ってあげることはできないんです。学校のせいにも塾のせいにもできません。子どもが向かう未来への道を開拓してあげることが親にできる唯一のことではないでしょうか。
子どもが生物に興味を示したら、「それは素晴らしいね」と承認し、さらに生物を研究できる機会を与えてあげる。
子どもが機械の構造に興味を示したら、「おお、すごいね!」と大げさに反応し、気が済むまで分解させてあげる。
「そんなもの何の役にも立たないぞ」なんて言ってしまったら、未来の特化分野を奪うことになりかねません。そんなことは、責任を持つことができない親が決めていいことではありません。
子どものセンサーが反応した方向に道をつくってあげることが基本的な姿勢であり、その方針は家庭ごとにしか決められないことでしょう。
早期に特性を『発見』する
そのため、最も重要なのが子どもの特性を早期に発見することです。10歳ぐらいになってくればかなり特徴が現れ始めてきます。逆に言うとその前にはまだ柔軟性があります。
幼児期…基本的信頼(愛着)、生活習慣、道徳性・社会性(遊びを通して)
小学校低学年…善悪、感性、美や心などへの感動
小学校高学年…自他の理解、自己肯定感
これが基本の流れ。
つまり9歳か10歳になれば、他者との違いを見つけ伸ばすことが可能。それ以前は自己を形成するための感性を育てやすい。
そして生まれ持った気質もあることを念頭に置き、より幼い頃から気質に近い感性を当てていく。
この子は友達が好きなのかな?と思ったら、友達と遊ぶ時間を増やしてあげる。
なんか物事を追求したいタイプかもな?と思ったら、図鑑を与えてあげる。
絵心あるし、直観的に把握することに長けてるな?と思ったら、新しい画材を与えたりアーティストのインスタを見たりする。
子どもは興味がなければすぐに止めますから、何を与えるかについて親がアレコレ考える必要はないでしょう。正解はありませんから。子どもが示す反応を敏感に感じ取り、予測して与えていきましょう。
家庭内のキャリア教育は、教えることよりも与えることです。