企業「せっかく面接して採用しようと思ったのに、辞退されてしまった」…
人材「ちゃんと自己アピールしているのになぜか面接に受からない」…
そんな時は、相手の求めていることとこちらが訴求・アピールしている魅力・志望動機にズレがあるかもしれません!?
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『モチベーションリソース』
人によって違う動機の源泉
なぜか辞退者が多いな・・・
なぜか面接に受からないな・・・
企業も人材もそんな風に思った時は、『モチベーションリソース』がズレているかもしれません。
人によってモチベーションの元となる要因は異なる。
企業は、面接に来た人がどんなモチベーションリソースなのかを見極めること。
人材は、その企業にとって“ありがたくない”モチベーションリソースを知ること。
これがズレると、
「この会社には求めるものがないな」
「この人材は自社ではやっていけそうにないな」
と思われてしまうんですね。
モチベーションリソースは、大きく4つあると言われています。
【組織型】モチベーション
- 対外的ステータスや影響力、組織内の地位や権力
- 能力の評価や金銭的報酬、地位・裁量の向上
- ブランド力や社会に対する影響力
- 人気職種や社会的価値の高い仕事を志望する傾向
その組織に所属することや組織内での地位・ポジショニングにモチベーションを感じるタイプです。
ここで働くことが出来れば、胸を張っていられる。
すごいことをしたい、カッコいい自分でいたい。
スマートさがあったり拍が付く場所にいたい。
大企業や人気の求人が大好きです。
【仕事型】モチベーション
- 仕事そのものの面白さ
- スキル習熟度、専門的知識や経験の蓄積
- 好奇心を満たし、存分に仕事ができる環境
- 専門的職種、職種別採用の会社を志望する傾向
自分のやっている仕事そのものや成長に集中したモチベーションです。
対外的なことよりも、自分が楽しめるか・自分のためになるか。
好きなことを仕事にしたい、興味のない事はやりたくない。
もっと上手く仕事したい、追求したい、のめり込みたい。
興味のある仕事や熱中できる仕事が大好きです。
【職場型】モチベーション
- 身近な職場の雰囲気や同僚との一体感
- 協働的目標の達成や社内イベント
- 信頼できる先輩や上司、気の合う仲間の存在
- 社風の良い会社を志望する傾向
職場の雰囲気は、ほとんどの場合“人”が影響しています。
どんな人とどんなふうに働くかがモチベーションになっています。
信用できない人や嫌いな人とは働きたくない。
みんなで一丸となって取り組んでいきたい。
人の雰囲気がいい職場が大好きです。
【生活型】モチベーション
- 仕事から得る利得で向上する生活に関心がある
- 給与の絶対額や休日休暇など実利的メリット
- 安定している会社などを志望する傾向
仕事や会社そのものよりも、自分の生活が望む通りであればモチベーションになる。
仕事や会社に求めることは多くない。
ただし生活に影響する残業や効率の悪い働き方はしたくない。
自分の生活にモチベーションを感じられるため、会社で多少何かがあっても我慢できる。
安定した生活が約束される条件が大好きです。
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相手目線で“当てに行く”面接
4つに大きく分かれるモチベーションリソースですが、どれがいいということはありません。
それだけに難しい。
会社によっても人によっても、重視しているポイントが違うからです。
自社や自分の当たり前に捉われず、面接前には相手がどんなモチベーションリソースを重視しているのかを考えましょう。
「人材が採りたい!」なら
もし企業側が優秀な人材を多く採りたいと思ったら。
人材が求めるモチベーションリソースを訴求・自社で実現することが大切です。
求める人材が求めるモチベーションリソースを訴求・実現する。
もちろん、自社にあっても仕方ないリソースは要りません。
例えば名もない中小企業が【組織型】の人を採用しようと思っても、すぐに企業の社会的地位を高めることは難しい。
入社したとしても、きっと他の会社に目移りして辞めていくでしょう。
こんな会社で【組織型】の人はきっと活躍しません。
採用しても仕方ない人材は、違う会社に入社した方がお互い良いんです。
自社でモチベーション高くやってくれる人を採るには、自社らしさを打ち出すこと(訴求)が基本です。
大企業や人気企業であれば、ブランディングをしっかりすれば寄ってくる。
専門的な仕事なら、その専門性やお役立ち・有用性、得られるスキルを訴求する。
魅力的な人が多く温かい社風なら、笑顔の人の写真の多い求人を打ったり、直接会ったりする。
福利厚生や安定性に自信があるなら、条件や実際の勤務体系を訴求する。
自社らしさに食いついてくれる人が、自社で満足して働いてくれる人ですね。
面接であれば事前に質問することによって“この人がどんなモチベーションリソースを持っているのか”が分かります。
その“刺さるモチベーションリソース”に集中して説明していきましょう。
そして企業は、より優秀な人材を入れていかないと成長できません。
ということは、今はないモチベーションの源泉を社内で実現することが会社の成長と言えます。
今足りないリソースは何でしょうか?
「面接に受かりたい!」なら
人材として企業に面接に行くなら、あらかじめどんな会社なのかを調べておきましょう。
その会社にとってマイナスとなるモチベーションリソースを表現しないことです。
企業が求めないモチベーションリソースは表現しない。
志望動機や自己アピールを言うときに、何も考えないと“本当に自分が求めること”を言ってしまいます。
これ、実は面接ではNGに近いです。
なぜなら、すでに自分は求人を見て選んで来ているから。
伝えるべきなのは、「御社であれば私は満足して働けますよ」ということ。
「この人ならモチベーション高く働いてくれそうだな」と信用してもらうことです。
間違っても面接の場で「私はコレがあれば満足なんですが、御社にはありますか?」なんて表現をしないことです。
ここに来て自分勝手なことを言ってこられても、面接官としても時間のムダです。
“余計なことを言わない”ように気を付ければ、面接の通過率は上がるでしょう。
企業ブランドで勝負している会社に、「私はどんな会社に所属するかより、誰と働くかだと思ってます」というのはリスクが高い。
仕事の専門性が高い会社に、「私はいずれ色んな事業に挑戦したいです」と言ったら仕事への熱意が伝わらない。
職場の雰囲気重視の会社に、「休日は?残業は?手当は?」なんて質問しまくったら興ざめです。
安定性をアピールしている会社に、「私はどんなに多い残業でも耐えられます!」なんて言っても迷惑なだけ。
『企業が何を訴求しているか』をしっかりと見ておきましょう。
的外れな志望動機や自己アピールをしないことが大切です。
相手の求めるものを持っているか
簡単に言えば、『相手の事をよく考える』ただそれだけのことです。
友達の誕生日には「何をしたら喜んでくれるかな?」と考えますよね。それと同じ。
この会社はどんな人を求めているのかな?
この人材は何を求めているのかな?
そして、嘘をつかないことです。
大切なことはこれ。
自社は・自分は、相手の求めるものを持っているか。
もし持ってもいないのに嘘をついて入社してしまったら、お互い不幸になります。
何の意味もない、ただのミスマッチです。
企業は採用数を稼ぐために採用をしないように気を付ける。
人材は選んでもらうだけでなく自分の意思でしっかり選ぶ。
双方ともに『モチベーションリソース』という観点を持てば、マッチング率は飛躍的に高まります。