ここでは、仕事の『目標』について触れていきます。
面接官に「自社に入社してからの目標を教えてください」と聞かれて困ったことはありませんか?
「そんなの考えてなかった・・・」という方は多いはず。
だけど面接官からしたら、この人はウチに来て何がしたいんだろう?ということは一番聞かないといけないことの一つ。
目標が言えない理由
- 就職することが目的になっている。
- 自分が何をしたいか分からない。
- 気が付いたら就職しなければいけない年齢になっていた。
理由は様々あれど、知りもしない会社での目標を立てるのは難しい!と思ってしまいますよね。
ここでは、そんな方と面接したときに実際に私がしていた目標設定を紹介します。
ぜひ、参考にして面接前に少し目標を明確にしてみてください。
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「幸せ」っていったら、どんなビジョンが浮かぶ?
質問はとても大雑把です。
「あなたにとっての“幸せ”の状況は?」ということを質問します。
ポイント
今まさに、その状況に自分がいる一枚の画像を思い浮かべてください。
多い答えとしては、「温かい家庭です。」などですが、それではまだビジョンではないです。
- どこにいる?
- そこには誰がいる?
- 子供は何人?
- あなたはどこで何をしている?
- どんな匂いがする?
- 何が身の回りにある?
このように質問していくと、
「昼下がり、持ち家の広いリビングで。子供は2人。僕は奥さんと一緒にソファーに座って子供が遊んでいるのを笑って見ています。」
という具体的なビジョンになっていきます。
ここは難しくビジョンを設定しなければいけないなんて考えないでください。気軽に考えてください。
大事なのはその後です。
- それは何歳?→「30代・・・前半?」
- じゃあ結婚は何歳までにすればいい?→「子供が5才と3才、逆算して・・・27歳?」
- 結婚できる状況は、月給いくら?→「30万・・・35万円?」
「なるほど。だったらウチの会社では、少なくとも2つ昇進。もしくは等級を6つ上げるために資格が2つ必要だね。」
「資格はこれとこれがおすすめかな。」
といった具合で、幸せのビジョンから自分が稼ぎたいラインを導き出すのがひとつ。
次も似たような決め方です。
一生独り身で終わっていい?
何も目標がない。幸せも分からない。という人に聞いていました。
「じゃあ、一生独り身で終わっても大丈夫?」と聞くとだいたい、
「いや、さすがにそれは・・・」
と答える人が多いです。
「一人で終わってもいい」という方には、一番下の“掘り下げ質問”をすることが多かったです。
「じゃあ50歳で結婚でいい?」
「いやいや、それもちょっと・・・」
「じゃあ40歳」
「いや・・・」
このあたりで、「わがままだね~!」と言ってあげます。
本当はすでに決めていたんだということを、わざわざ確認します。
「35歳?・・・34歳?・・・33歳?」と聞いていくと、“結婚デッドライン”ができます。
ただの目安になるだけなので「よし!絶対そこまでに結婚!そのために具体的に!」なんてことはしなくていいです。
人生の大きな節目をとりあえず適当に設置して、そちらに向かう目標を決めることが重要です。
その人の中で、実は大まかな人生設計は出来上がっている。そしてだいたいそのようになる。
こうして言葉になっていなかったものを言葉にすると、“向き合う”ことができるようになります。
意外と何かの制限が心にかかっていて、口に出すのは勇気のいるものです。
「質問」というのは、扉の奥にある答えを表に出すノックのようなものですね。
同じように自分に聞いてみてください!
ここまで来たら、先ほどと同じです。
この船はあの島に向かうよ!
これは少し特殊です。
「この人の価値観はウチの会社に合わないかもしれない。そしてこの人は価値観を合わせる必要性をまだ感じていないかも。」と思った時に使います。
よく絵を描いて説明していました。
「今から船で海外旅行に行きます。〇〇さんはどこに行きたい?」
海外ですか?そうですね・・・ハワイに行きたいです。
「OK!では、今から船に乗りましょう!インド行きの船です。」
えっ(笑)、インドですか・・・はい・・・
「どんな気持ちですか?」
別にインドには行きたくないので微妙な感じです。
「そうですよね。3年帰ってきませんけどいいですか?」
いや~それはちょっと困ります。
「なぜですか?船は乗ったら降りられないですよ。行ったら帰りの船は3年後です。」
それを先に知っていたらその船には乗らないですね。
と、ここまでで行きたくない方向に無駄な時間をかけたくない気持ちがあることを確認します。
次に自社の価値観と本人の価値観について確認します。確認する点は人によって様々です。
- 自社の商品価値に納得がいくか。
- コミュニケーション方法が合うか。
- 社長の方針に共感できるか。
大まかにこんなところです。特に商品価値に納得がいっていない場合、「会社の雰囲気は好きだけどなんだか仕事にやる気が出ない。」ということになります。
これは退職までに時間を要し、惰性で時を過ごしてしまう原因になります。
船の絵に目線を戻し、「この船はこの島に行く。〇〇さんはこの島に行きたい。船の雰囲気は好きかもしれないけど、本当にそれでいいのか考えてみて。」
という風に話します。
単純ですが、例えてみると「あっそうか。」と気づくことがあります。
掘り下げ質問
最後に、目標設定だけでなく様々な場面で使えるテクニックです。
まず、なるべく漠然と問います。「どうなりたい?」程度の質問です。
当然答えは漠然としたものが出てきます。
「社会人として一人前になりたい。」
この中にはいくつかの要素があるので、それを一つずつ掘り下げていきます。
要素
①社会人
②一人前
③なりたい
①「社会人って、あなたにとってどういうこと?」
「ううん・・・世の中で広く役に立つ人のことです。」
これをさらに要素に分けます。
要素 2段階目
①-①世の中
①-②広く
①-③役に立つ
それぞれ質問します。
①-①「世の中って、あなたにとってどんなもの?」
①-①「色んな人がいる・・・もの」
①-②「広くって、あなたにとってどこまで?」
①-②「世界・・・です」
①-③「役に立つって、あなたにとって何をすること?」
①-③「貧しい国を豊かにすることです。」
これを最初の3つの要素それぞれにやると、以下のように言葉が出てきます。
社会人 | 世の中 | 色んな人がいる |
広く | 世界 | |
役に立つ | 貧しい国を豊かに | |
一人前 | 自分の | この頭と体 |
力で | スキルと経験 | |
生きていける | 生計を立てられる | |
なりたい | そういう姿に | かっこいいスーツ |
自分が | この頭と体 | |
実際なりたい | 現実として |
三段階まででもこれだけのボリュームになります。
最後に、出てきたキーワードを拾ってつなげます。
「なるほど。あなたは、貧しい国を豊かにするような仕事を世界規模でやりたい。青いスーツをびしっと着こなしてイタリアを闊歩するワールドワイドなビジネスマン。そんな風になりたいと思っていたんだね。」
こうすると、今まで恥ずかしくて言い表せなかった希望が表現できるようになってきます。
自分に質問して書いてみよう
いかがだったでしょうか?
これらすべて、質問しただけです。
- 「あなたにとっての“幸せ”の状況は?」
- 「一生独り身で終わっていい?」
- 「この船はあの島に向かうよ!」
- 「〇〇は、あなたにとってどういうこと?」
ポイント
目標・答えはあなたの中にすでにあります。
上手に自分に質問して、どうなりたいのか発見してあげてくださいね。