転職するときにキャリアコンサルタントに相談してみよう!と思う人が増えてきた。
でも、キャリアコンサルタントの僕は言いたい。
「私たちは転職エージェントじゃないんですよっ!」
そもそも目的が違うのに加え、資格を持っていない人が名乗っている場合も!?
本に書いてある情報すら間違っている
「エージェント=キャリアコンサルタント」は大きな間違い
ある本を読んだ時に僕は衝撃を受けました。
ここで言う「キャリアコンサルタント」は、「エージェント」であることが前提じゃないか!!
キャリアコンサルタントである僕は、「それはマズイでしょ!」と言いたい。
転職エージェントもやっていた僕が言うのだから、間違いありません。
キャリアコンサルタントと転職エージェントは全く別のものです。
それを、さも同じように書いて、しかも本にしてしまうなんて…。
国家資格化されて日が浅い資格のため、周知されていないことは当然です。
だからこそ、本を書くような人はしっかり下調べをしてから書かないと、間違った認識をされてしまう。
ということで、せめてこのブログが目に留まった方には正しく知ってもらいたいと思っています。
目的~『クライアント』が違う
それぞれの目的が全く違うんです。
会社によってさまざま理念や目的は異なると思いますが、一般的にはこうです。
転職エージェント
転職を支援すること。クライアントは『企業』
キャリアコンサルタント
キャリア形成を支援すること。クライアントは『キャリアを考える人』
転職エージェントは転職を考える人がお客様と思われがちですが、違います。
お金を支払うのは企業です。
もちろんエージェントは「転職者担当」もいて、その人は転職者のために一生懸命考えます。
しかし結果的にその会社の利益になるには、自社の求人に入社して(ほとんどの場合さらに3か月継続)もらわないといけないわけです。
だから転職者が「別の求人で決めました」と言ってきたら、決まってくれて気持ちは嬉しいけれどマイナス。
必ず「自社求人で決めて欲しい」というバイアスがあり、そのためならしっかり推薦してくれるのが強みです。
対してキャリアコンサルタントは、相談に来た個人から直接お金を頂きます。
企業領域でのコンサルの場合は、社員のキャリアコンサル料金を会社が支払います。
「面談・支援そのもの」「キャリア形成のプロセス」に価値を置いているということです。
転職先はクライアント本人が決めることであって、その決断を一番納得のいく形にするために支援する。
本人が決めやすくするのが目的です。
実際に僕は両方やっていたわけですが(今はキャリアコンサルタントだけです)、面談内容も違います。
そもそもキャリアとは、人生の道。
転職の時にようやくキャリアコンサルタントを使うのではなく、定期的なキャリア形成の振り返りが必要なんですね。
転職したい・求人情報がほしい⇒転職エージェント
キャリア形成を考えたい⇒キャリアコンサルタント
確かに転職エージェントに多い資格持ち
資格なしで名乗ってしまう理由
なぜ転職エージェントの中で、資格もないのにキャリアコンサルタントを名乗ってしまう人が後を絶たないのか。
それは、“知らないから”です。
その人達自信が「キャリアコンサルタント」が国家資格だと知らず、名称独占資格ということを知らないからです。
もともと「キャリアカウンセラー」という名で仕事をしていた人が、ハローワークなどに多くいました。
今はその名がなくなり、国家資格化されて名称も変わりました。
キャリアカウンセラーの延長線上で、誰でも名乗れるものだと勘違いしてしまっている人が多い。
国家資格に通ったキャリアコンサルタントの事を言っているのか確認しよう。
なぜ同じように見てはいけないのかというと、専門領域が違うからです。
じつは専門領域が違う
- 転職エージェントは転職市場のプロ
- キャリアコンサルタントはキャリア形成のプロ
現状の転職市場や求人の動きに関しては、転職エージェントの方が情報を持っています。
今どんな職種がアツいのか、逆に厳しい業界はどこなのか。
いまここの転職市場でどう動けばいいか、『外部の情報』を与えてくれます。
大きな世の中の動きやキャリアに関する理論、人生の転機の乗り越え方や強みの引き出し方。
やりたいことの見つけ方などについてはキャリアコンサルタントの方が専門です。
過去と未来を考え、今何をすべきかを自分で決めるために、『自分の情報』を引き出します。
もちろん外部の情報も持っていますが、もっと幅広い経済動向・未来予測・一般理論の話になります。
ミクロ=転職⇒転職エージェント
マクロ=キャリア⇒キャリアコンサルタント
正しいキャリアコンサルタント
それぞれに、これを求めよう!
ポイント
転職を決めたいなら、転職エージェント。
自分が何をしたいのか知りたい。自己分析をして強みを明確にしたいなら、キャリコンサルタント。
例えば、自分の強みや向かいたい方向がはっきりしていて、「さあ転職だ!」というタイミングであれば転職エージェントを使いましょう。
なぜなら、エージェント任せにすると“入って欲しい会社”を勧められるからです。
それは決して自分が入りたい会社とは限らない。
自分の意思をしっかりと表明できるようになったら使うのが正しい。
(ちなみに、行きたい求人まで決まっているなら自分で応募した方がいいです。)
まだ転職しようか悩んでいる、転職したいけどどう動けばいいか分からないという時はキャリアコンサルタントです。
それから、今の会社でもっとキャリアアップしたい、仕事のことでモヤモヤして仕方ない、という時もです。
じつはキャリアコンサルタントの方が、使いたいタイミングは多い。
でもお金がかかるから、なかなか個人では手が出せないという人が多いんですね。
キャリアコンサルは、エージェントに行く前がおすすめ
ポイントとしては、「どうしたらいいか分からない」状態ではまだ転職エージェントに相談するタイミングとしては早いということ。
もちろんエージェントも、最初に必ずヒアリングをして「何を求めていますか?」と聞いてくれます。
でも、転職方法はエージェントだけではないんです。
一般求人、スカウト、Twitter、Instagram、人脈、紹介、飛び込み、電話、ハローワーク、広告、ありとあらゆる転職方法が存在します。
エージェントは方法の一部です。
転職エージェントには登録した方がいいのは間違いありません。重要な情報収集源です。
ただ、エージェントに任せてしまうと、これからの時代に最も重要だと言われるキャリアへの主体性、つまり「自分は本当は何がしたいのか」と向き合えません。
だから「ウチの求人で決まったらラッキー」ぐらいの温度感で付き合ってくれるエージェントがベストです。
各社、得意な業界や掘り出し物の求人などを武器に持っています。
そしてそれを探し出すのは、結局自分の力です。
キャリアコンサルは、変わり続ける社会で自分の『生きる力』を身に付けるもの。
安くないお金を払ってキャリアコンサルティングを受けるわけです。
一生ものの誰にも奪えない財産に換えていきましょう。
僕もココナラで出品していますので、ぜひ使ってください。
↓
https://coconala.com/users/1804083