最近の企業の採用は、体育会系をターゲットにしていることが多いです。
かくいう私も、体育会系学生・転職者をメインターゲットとして採用活動していました。
なぜなのでしょうか?
今回はどうして体育会系が求められているのか、体育会系の学生や転職者は何に気をつけるべきなのかを書いていきます。
私は採用した体育会系人材の教育にも長く携わってきました。
そこから見えてきた、入社数年後に起こる問題などもお伝えします!
体育会系の方は必見です!
体育会系イベント
体育会系人材だけを集めた合同企業説明会があります。
人材会社が学校などから学生を集め、体育会系人材を求める企業が出展料を払い開催されるものです。
色々な形があり、通常のブース形式から食事形式。
スポーツの試合を企画するイベントがあったりもします。
すごいですよね!
それほどまでに求められているということです。
しかも出展料は通常の合同説明会より高めに設定されています。
企業は少なめにし、人材と企業の接点をより多くより近くしている場合が多い。
雰囲気もガラッと変わります。
ヒョロヒョロな私は、あんなに体格のいい人材が多く集まる場所を他に知りません!
もう体格を見ただけで何のスポーツをやっているか、70%当てられるようになってしまいました!
一番違うのは、“活気”です。
みんな明るい明るい。
このエネルギッシュさは、企業は欲しがりますよね。
では、企業が体育会系を求める理由はそれだけでしょうか?
体育会系が人気のわけ
私の経験・偏見・他の人事に聞いた話による、体育会系人材が人気の理由!
素直
とにかくまずはこう言われます。素直という表現が正しいかはわかりませんが、言われたことをしっかりやろうとしてくれます。ただし、信用していない人の話は聞きませんよ!
コツコツ頑張れる
地道な努力が実を結ぶことをよく知ってます。
グチは言うが弱音を吐かない
弱音を吐くという行為は、「そこまで頑張らなくてもいいという予防線を自分に張る行為」です。日々努力によって自分の限界を超えてきたため、多少の努力は苦と思いません。
メンタルが強い
少し怒られたぐらいでは折れません。へこみはしますが立ち直りも早いです。
体育会系の落とし穴
しかし、体育会系人材にも当然気を付けないといけないことはあります。
それはほとんどの場合、強みの対面にあるものです。
疑わない
信頼している人の教えを信じるがために、いざそれを修正しないといけなくなったときに躊躇してしまいます。人を信用しすぎると自分の判断での臨機応変な動きを抑えがちです。
言われたこと以外やらない?
長い部活生活を送ってくると、手を抜く術も覚えます。すると自分の考えで主体的に自分を成長させることをおざなりにしてしまう。
流されてしまう
我慢ができるだけに、「イヤだ」という自分のサインに鈍感になってしまうことがある。周囲の人たちが頑張っていればいいが、逆の場合は注意。
問題を先送りできる
怒られた内容に自分の欠点があったとしても、そこまで向き合わなくてもなんとかなると思ってしまうことがある。
社会で成果を出すこととスポーツで成果を出すことは共通点が多いですが、違いもあります。
スポーツの世界で「努力は裏切らない」。信じて練習を続ければ、目標を達成できる可能性を上げることができます。
しかし社会では「正解がない」。努力が裏切るとは思いませんが、その努力が正しいかどうかは誰にも分りません。
ポイント
正解を出せるのは自分だけ。すべてを決めるのは自分自身。
“我慢できてしまう”という弊害があることをまず意識しましょう。
監督から出されたメニューを信じて愚直にやっていけば上手になったスポーツ。
社会はもっと自由な場所です。
目標は“試合に勝つ”ことではなくなっているはず。
そしてその勝ち方を決められるのは、自分だけです。
自分の大きな人生の目標のために、“嫌なこと”と“やりたいこと”ははっきりさせましょう。
また、若いころに結果を出してもてはやされた人はさらに注意しましょう。
社会に出るとまったく違うスポーツをはじめたようなものです。
やり方を変えなければ結果が出ないかもしれません。
では、どんな会社や職場がいいの?
体育会系の人材にはこれまでにずっと積み上げてきた強みがあります。
それを活かし、悪い方向に活かされないためには。
流されずに自分のなりたい自分になるためにはどんな会社や職場を選べばいいでしょうか。
注意
「俺が成長させてやるからな!ついてこいよ!」的なかっこいい上司・先輩
魅力的な人材のもとで働きたいと思う気持ちは大事にしてほしいですね。
ただし、その人に頼りすぎてはいけません。部活の先輩がいる会社だからといってその会社に決めるのもダメです。
成長をするのは自分自身です。成長の手柄は上司や先輩にはありません。
力は、トレーニングをやり続けようと自分で決めた者にしか付きません。
社会は完全に自由。だから、完全に自分の責任ですべてを決めてほしいのです。
注意
「うちは楽しいよ!仕事は楽しくやらないと!」と言う採用担当
ノリで決めてはいけません。
もちろん仕事は合っていれば楽しいです。しかし本当に仕事の楽しさを指す「楽しい」には深みがあります。
リクルーターと呼ばれる採用担当は、若い人が選任されることが多い。それは、若い人材が寄ってきやすいからです。
若い採用担当の場合、仕事の「楽しい」が分かっている人材はそういません。
私はどんな仕事も、その仕事の意味を知るには3年かかると思っています。
入社3年以内だった場合は軽い「楽しい」の場合が多いです。
軽い楽しさ
飲み会がある。面白い先輩が多い。目立つ仕事、かっこいい仕事。
深みのある楽しさ
スポーツで言えば試合に勝つことや達成すること。仕事で言えば意味を見出すこと。それをやっている自分に満足感を得ること。
ポイント
疑問に思うことは流さず聞く
何にでも疑問を持つことは大事。それがいずれ確固とした自分を持つための信念になっていきます。
スポーツなら“勝つ”という共通の目標がありましたが、社会人は一人ひとりが自分の目的のために働きます。
疑問を持たず受け入れるのは、目的が共通であって自分が理解するまでの時間が惜しい場合などです。
ポイント
周りの人が問題視していることを自分も考えてみる
体育会系人材からすれば「何をそんな小さなことで文句を言って・・・」と思うようなことの中に、会社の根本的な課題を解決するためのヒントが隠れているかもしれません。
もし出世してリーダーになりたいと思っているなら、自分と違う価値観を受け入れることは必須です。
これができれば、もともとの強みと相まって飛躍的に人間として大きくなっていくでしょう。
ポイント
伝統を捨て効率を重視した考えなどで変える
先輩に反抗しましょう!いいんです。反抗して。社会人は数年すれば、先輩も後輩もなくなります。社会に出た時点で立場は対等ですから。
教えられたとおりが一番いいと思わず、ひとつひとつの作業を考えながらやる。どこか変えたら効率が上がる方法がないかな?と。
なぜこうだったのかが分かってきます。理由を突き止めることができます。
そうすると、より進化したやり方に変えたり人に教えることができるようになったりします。
掃除のやり方や洗濯の干し方など、単純なことからバカにせずに考えてみましょう。
思ってもみなかった画期的な方法が思いついてほんの少しの成果が出たときに、すでに誰でもない自分の一歩を踏み出しています。
ココがポイント
自分をしっかり持つ
自分の考えを思いついてやってみた!そしたらうまくいった!他の人にも教えてあげよう!
このサイクルが、楽しい仕事の第一歩だと思います。
誰かの言う通りにやっているうちは決してたどり着けません。
強いチームは、先輩や監督がこの一歩を踏んだから全員が強くなるものです。
繰り返しますが、社会人は完全に自由です。
全部自分の責任です。
家庭を持ったらチームメイトはいません。父になったら父は自分一人きり。母になったら母も自分一人きりです。
先輩を先輩と思う必要なんて、実はありません。実力で勝負ですね!先に家庭を持ったら自分が先輩です。
一個人であることを忘れずに、自分の人生を自分で考えて生きる自覚を持って。
本当の意味で楽しく、自分らしい社会人生活にしていきましょう。