「面接ではどんなことを見られているんだろう?」
この問いの基本的な指針となるのが、『イラショラル・ビリーフ』を排除すること。
「非合理的な受け取り方をする人だ」と思われないように注意することです。
問題反応の元となる信念を見直してみよう!
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面接で注意!『認知』の仕方
アルバート・エリスの「論理療法」
面接で見られていることは何でしょう?
「この人はしっかり仕事できるだろうか?」
「この人は問題を起こさないだろうか?」
ということですね。
このチェックをするために、あれやこれや質問を変えながら聞いていくわけです。
「しっかりできますか?」なんて聞いても答えは決まっていますからね。
面接でチェックしたいのは、問題反応の原因となる信念をもっていないかどうか。
実はこれを治療しようとする心理療法が存在するぐらいです。
それが、アルバート・エリス我1955年に提唱した『論理療法』です。
論理療法
心理的な問題や生理的な反応は、出来事そのものではなく出来事の受け取り方によって生み出されるものであり、非合理的な受け取り方から合理的な受け取り方に変えれば、そうした反応は弱くなるかなくなるという理論をもとにする心理療法。
つまり、治す方法が存在するぐらいだから、どこの会社でも当然チェックしたい項目だということ。
でも意外と面接を受ける側も面接する側も“知らずに”やっていることが多いので、ポロっと非合理的な受け取り方を見せてしまうんです。
企業は“意図せずとも”判断している
企業は「論理療法をもとにチェックするぞ!」なんて思ってはいません。
だけど、気にしない企業はないと言ってもいい。
企業は長く働く人を雇う時に面接をしっかり行わないといけない。
おいそれと解雇することは出来ないから、問題となりそうなことは採用前にどうしても知っておきたい。
「この人は活躍できるかな?」
「この人は問題を起こさないかな?」
「努力ができるか?」
「成果を残せるか?」
「みんなと仲良くできるか?」
それを知るために、どんな考え方をしているのかを判断したい。
この考え方・信念が、全ての受け取り方を決定づけるものになるからです。
では、どんなことをチェックしているでしょうか?
論理療法では大きく4つの望ましくない信念があるとされ、それらを『イラショナル・ビリーフ(非論理的信念)』と言います。
面接で排除すべき『イラショナル・ビリーフ』
面接では必ずと言っていいほど気にされる“非論理的な信念”である『イラショナル・ビリーフ』。
その4つがこちらです。
イラショナル・ビリーフ
- ねばならぬ信念
- 悲観的信念
- 非難・自己卑下信念
- 欲求不満低耐性信念
なんとなくマイナスになりそうなのは言葉を見ただけで分かりますね。
これらが伝わってしまわないように、表現方法に気を付けましょう。
前職の退職理由を聞かれた時。
どんな職場が理想か聞かれた時。
強みや弱みを聞かれた時。
過去の失敗や失敗に対する対処を聞かれた時。
プライベートへの考え方を聞かれた時。
普段の過ごし方を聞かれた時。
あらゆる場面で信念は顔を出してくるものです。
根っこに立ち返り、過去のエピソードや判断に『イラショナル・ビリーフ』がなかったかをチェックしてみましょう。
考え方を変えれば、間違った回答をする可能性は大きく減っていきます。
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“非論理的信念”『イラショナル・ビリーフ』とは?
ねばらなぬ信念
いつも「~しなければならない」と強迫観念に似た考えをしてしまう。
一見「一度決めたらやりとおす」というプラスに聞こえないこともない。
でも、この融通の利かなさは会社の中でマイナスになることが多いんです。
例えば会社の売上が厳しくなって方針の転換を余儀なくされた時。
「今まで信じてきたものを崩しちゃダメだ」と思うことは、時として危険です。
会社が存続さえすればまた元に戻るチャンスはある。
でも、ここで柔軟に“今やるべきこと”に集中できないと、会社は思うように危機を乗り越えられません。
融通が利かないがゆえに会社を潰してしまうなんてこともあるんですね。
『ねばならぬ』を発揮する時と場所を判断できるかどうかがポイントですね。
悲観的信念
「もうだめだ…終わりだ…」と絶望するのが早い。
これは分かりやすいと思います。
社会にはライバルというものが存在し、基本的には邪魔をしてくるのが当たり前です。
だから上手くいかないことが多くて当然です。
それなのに、すぐに社員が「もうだめだ…」と言っていたらその会社は絶対に伸びませんよね。
上手くいかないことを上手くいくように考えること、建設的な受け取り方をすること自体が社員の仕事とも言えます。
それに、このような社員をフォローするのはその同僚や上司。
仕事以上に力を割かなければいけないことになるんですね。
「もうだめだ…」を一瞬味わったら、「一旦ダメだった」と過去のものに変えましょう。
非難・自己卑下信念
実力以下に自分を見てしまい、「きっと自分には出来ない」「やっぱり自分はダメだ」と考える。
悲観的と似ていますが、こちらは自分に対してです。
非常にもったいない考え方ですね。
この考え方の場合、周囲の人がいくら「君なら出来る!」と言ったところで通用しないことが多い。
基本的に周囲の人を信じなかったり、期待されることが迷惑だと感じることが多いでしょう。
頑張ることに価値を感じていないかもしれません。
過去にこの考え方の原因となった出来事がある場合も多いですね。
どちらにしても、社会に出てお金を頂く以上、何らかの期待はされてしまいます。
冷静に自分を振り返り、出来ることを認め、それによって貢献できる喜びを想像しましょう。
欲求不満低耐性信念
思い通りに行かないとすぐに「もう我慢できない」と思う。
ひと昔前の「最近の若いモンは!」の代名詞のように感じます。
早期離職やストレスコントロールが出来ないことが社会問題とも言われました。
自分のレベルがどの程度なのかは、常に気にするようにしておきたいですね。
周囲の人はどのぐらい我慢をしているのか?
大人になるにつれ、今と同じようにいられるのか?
例えば子供が出来て子育てをするときに、自分の自由は一切なくなります。
親は、どれだけ自分を犠牲にして子供を育てるものなんでしょうか。
また、上司になると部下の起こした問題も自分の責任になります。
これに我慢できない上司が上司でいられるでしょうか。
「自由が欲しい」というのは誰しも同じだと思います。
ただ発言する時には要注意。
その自由を自分で獲得しに行く責任ある発言なのか、会社や周囲に「自由にやらしてくれよ」と求めてるだけなのか。
少なくとも、会社から自由をもたらされることに期待している人は面接には受からない可能性が高いですね。
4つの『イラショナル・ビリーフ』を確認し、面接での表現に気を付けましょう!