「転職をしたいけど、自分にはスキルがないから不安」という人は多い。
でもそれ、“表面上のスキル”のことではありませんか?
人生100年時代に本当に大切なのは、もっと奥にある自分の能力に気付くこと。
本質に近いほど、他人には真似できないスキルです!
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【転職スキル】そのスキルに汎用性はあるか?
他職種・他業種への移動ができない
これからの時代は、常に転職を視野に入れておきたいですね。
そのために「スキル」や「経験」を積みたいと考える人は多いでしょう。
今回はその上での注意すべきことを書いていきます。
結論から言うと、
より本質的なスキルを言語化しよう!
ということになります。
人生100年時代と言われるだけあって、職業人人生は長くなり、一度も転職しないで終えることはほぼ不可能でしょう。
しかも50年働くとしたら、50年ずっと変わらずにある仕事を探すこともかなり難しいでしょう。
と言うことは、これから積んでいくスキルが多職種や他業種でも通用するものでないと危ないということです。
『汎用的スキル』を積み上げることや磨き続けることを意識しましょう。
でも「そんなもの簡単に見つからないよ」と思うかもしれないので、今回記事にしています。
プログラミング・簿記などの資格やスキルは表面上のもの。
本当に大切なのは、「なぜあなたがその仕事を上手にできるのか」なんです。
スキルの奥を見るのが面接
ここで一旦“面接”を思い返してみましょう。
社会人であれば、一度は経験しているのではないでしょうか。
なぜ、面接があるんでしょう?
僕も面接をしている側だったので、その企業側心理はよくわかります。
書類に書いてあるスキルだけでは採用は決められない。
もっと奥にあるその人の特性を見て、自社に合っているか、本当に仕事を続けることができるのか、成果が出せるのかを見極めるんですね。
つまりスキルを表して通用するのは、せいぜい書類選考までではないでしょうか。
だから企業はわざわざ面接をして、確かめたいものがあるんですよね。
だから同業種への転職だからと言って、汎用的スキルを言語化しなくていいとは思いません。
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【転職スキル】汎用的スキルの作り方
「出来る理由」を深掘りし『特性』を見つける
汎用的スキルを見つけるには、自分の特性を見つけることです。
このブログでは『思考特性・行動特性』について何度も取り上げているので、ぜひブログ内検索をして過去の記事を見てみてください。
じつは僕はあまり「スキル」と言う言葉は使わない。
なぜなら、生まれ持った素質でもあるし、20歳ぐらいになればすでに誰でもある程度持っているし、強いとか弱いとかいうよりも「特徴」のようなものだからです。
人にはそれぞれ行動に特徴があります。
おとなしい、さわがしい。競争心、平和的。柔軟、頑な。
それらの中には必ず『難なくできる行動』と『ストレスを感じる行動』があります。
難なくできることが強みとして現れやすく、ストレスのかかる行動を無理してやっていたらなかなか成果は出ません。
そしてその行動の裏には、必ず『思考の特徴(思考特性)』があります。
僕のキャリアカウンセリングでは、必ず最初にこの思考特性を発見から始め、行動特性との関連性を確かめる。
そして“そうじゃない人”の存在を確かめます。
なぜなら、本人は今まで当たり前のようにその思考で暮らしてきた。
そして他人の頭の中は見えない。
自分では自分の思考特性に気付くことが難しいからなんです。
こんな手順です。
①表面上のスキルや強みを言語化
「私は~ができる」
②なぜそれが得意なのかを考える
「~と考えているから」
③思考の特徴を言語化する
「私の思考特性は○○○と言える」
④思考特性ー行動特性の関連性を見つける
「○○○なので、△△△な行動が得意だ」
実際のカウンセリングでは他者には出来ないことを確認しながら進めていくので、自分でやる場合は“そうじゃない人”を意識しながらやりましょう。
「これって当たり前だと思っていたけど、他の人にとってはすごくストレスがかかることなんだな」と発見できたら成功です。
※一人ではなかなか難しいです。
ポイントは、思考特性を見つけることにあります。
思考特性がもっとも自分の本質に近い強みとなるからです。
そしてそれは、そうじゃない人には真似ができない。
つまり、自信が湧いてくるので強みをより意識し磨くことができるんです。
(『思考特性』『行動特性』などでブログ内検索をして、特性について理解しましょう)
「ありふれた言葉」には注意する
そうすると、「自分の強みは『協調性』なんだ!」と自信を持つことになります。
しかし、ここで注意です。
そのまま「私の強みは協調性です。」と書類に書いても、企業にはあまり刺さりません。
ありふれた言葉は刺さらない!
無理にまとめず、もっと適切な言葉で表現する。
「協調性」という言葉を思い付いたからには、理由があるはずです。
どちらかと言うと、その理由を強みとして表現した方が刺さります。
たとえば、思考特性が『社交性』優位だった。
この特徴は「人の感情を読み取ることが得意」「誰かが辛い思いをしているのがイヤだ」「仲間に感謝されることが自分にとっての喜びだ」。
感情を読み取れない人と違い、自分は人の感情がダイレクトに自分の感情とも繋がる。
だからこそ、仲間を思うことに価値があると思うし、そういった行動が得意なはずなんです。
価値があると思ってやっている考え方と行動を強みとして表現しましょう。
上に書いた以外にも、
人が好き。相談を受けるのが好き。手助けするのが好き。
多くの人の意見を取り入れる。誰も取り残したくない。決める前に話し合う。
共感する力が強い。対話から学ぶことが多い。物を介しても人を感じ取ることができる。
情緒的表現が得意。人の反応を読み取れる。独りよがりになりたくない。
『社交性』の裏にはこんなにもたくさんの言葉があります。
それらすべてが、面接や書類で表現できるお宝ワードです。
あなたの思考のクセを発見したら、その思考の織りなす特徴をとにかく書き出してみましょう。
エピソードを持っておく
上記が「なぜなら」の部分なら、こちらは「たとえば」の部分です。
強みを表現できる言語が作れたら、今度はそれにまつわる『エピソード』を思い出しておきましょう。
過去、自分の思考特性から来る行動が発揮された場面が、どこかにありませんでしたか?
特に成果が出たことや、褒められたことに繋がっていたらベストです。
疑いようのない事実をエピソードとして持っておくことで、強みの信ぴょう性を高める!
面接とは、これを確かめるためにやるようなものなんですね。
新卒面接での例
「私の強みは協調性です。
(なぜなら)私は人に対する感受性が高い方だと自覚していて、仲間に感謝されることに幸せすら感じるからです。
(たとえば)部活で最後の試合に臨む前、私が旗をつくってチームのみんなに寄せ書きを書いてもらいました。
最後にはその旗をみんなで持って、泣きながら写真を撮りました。
みんなに良い思い出を持ってもらえたと思うと、本当につくって提案してよかったと思いました。」
ちなみに、面接で「なぜなら」「たとえば」は言わない方がいいと思っています。
いかにも用意してきた言葉になるので、僕なら絶対に言いません。
中途なら、前職で発揮されたエピソードが一番いいですね。
とにかく、「私はプログラミングが出来ます。」「簿記2級を持っています。」で終らないようにしましょう。
たとえばプログラミングなら、なぜプログラミングという仕事に耐えうるのか、得意なのか、好きなのか、自分の根っこから原因を見つけてください。
それはきっとプログラマーにしか転職できないものではないはずです。
ヒントになる一般的データ
最後に、より強みが発見しやすくなるように参考データを見てみてください。
僕の言う思考特性・行動特性とは別に、一般的に言語化されたものです。
『基礎的・汎用的能力』
基礎的・汎用的能力
- 人間関係形成・社会形成能力
- 自己理解・自己管理能力
- 課題対応能力
- キャリアプランニング能力
人間関係形成・社会形成能力
多様な他者の考えや立場を理解し、相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに、自分の置かれている状況を受け止め、役割を果たしつつ他者と協力・協働して社会に参画し、今後の社会を積極的に形成することができる力
言語化キーワード
他者の個性を理解する力、他者に働きかける力、コミュニケーション・スキル、チームワーク、リーダーシップなど
自己理解・自己管理能力
自分が「できること」「意義を感じること」「したいこと」について、社会との相互関係を保ちつつ、今後の自分自身の可能性を含めた肯定的な理解に基づき主体的に行動すると同時に、自らの思考や感情を律し、かつ、今後の成長のために進んで学ぼうとする力
言語化キーワード
自己の役割の理解、前向きに考える力、自己の動機付け、忍耐力、ストレスマネジメント、主体的行動など
課題対応能力
仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力
言語化キーワード
情報の理解・選択・処理等、本質の理解、原因の追究、課題発見、計画立案、実行力、評価・改善など
キャリアプランニング能力
「働くこと」を担う意義を理解し、自らが果たすべき様々な立場や役割との関連を踏まえて「働くこと」を位置付け、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく
言語化キーワード
学ぶこと・働くことの意義や役割の理解、多様性の理解、将来設計、選択、行動と改善など
『社会人基礎力』
社会人基礎力
- 前に踏み出す力(アクション)
- 考え抜く力(シンキング)
- チームで働く力(チームワーク)
前に踏み出す力(アクション)
一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できる
言語化キーワード
『主体性』物事に進んで取り組む力
『働きかけ力』他人に働きかけ巻き込む力
『実行力』目的を設定し確実に行動する力
考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力
論理的に答えを出すこと以上に、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力
言語化キーワード
『課題発見力』現状を分析し目的や課題を明らかにする力
『計画力』課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
『創造力』新しい価値を生み出す力
チームで働く力(チームワーク)
多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
グループ内の協調性だけに留まらす、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力
言語化キーワード
『発信力』自分の意見をわかりやすく伝える力
『傾聴力』相手の意見を丁寧に聴く力
『柔軟性』意見の違いや相手の立場を理解する力
『状況把握力』意見の違いや相手の立場を理解する力
『規律性』社会のルールや人との約束を守る力
『ストレスコントロール力』ストレスの発生源に対応する力
あくまで大切なのは、自分の思考特性に関連する行動特性です。
参考となる言語は、言葉が思いつかない時に見てみてください。
「あ、これを言いたかったんだ!」というものがあると思います。