今回は面接で落ちる理由について書いていきます。
当然会社によって選考基準はまちまちなので、ひとつの参考程度に見てください。
だけど僕の人事畑経験は10年!しかも中小企業とはいえ人事の長として責任を持ってやってきました。
知識だけで書くわけではありません。実体験をもとにした現実を書いていきます!
面接クリア率が少しは上がると思いますよ!
面接だけで見れるものは少ない
まず、なぜ面接があるのでしょうか?
なぜわざわざ会わないといけないの?
参考
僕は何人も選考をしてきましたが、書類だけで採用を決めるなんてことは絶対にできません!
『会ってみないとどんな人か分からない』
書類を見る時には評価エラーに陥らないことを意識していました。
※代表的な評価エラーについては後述します。
面接は1時間でも長く感じる。そんな時間で人を理解することはできません。
だから会わないと判断できないこと、『確かめる』ことに集中します。
ポイント
あなたはどうやって友人を決めますか?
もし、1時間しかチャンスがなかったら?
どんな人か確かめる時に、あなたならどこを見ますか? 何を質問しますか?
面接も同じように、人間関係の始まりの場です。
社会性
社会性というのは、諸々ひっくるめて言ってしまった言葉なのでとても分かりづらいですね。
代表的な判断はこのあたりでされます。
- 身だしなみ
- 姿勢
- 話し方
身だしなみ
ただスーツを着ていればいいというわけではありません。
ネクタイの結び方はしっかりしているか。襟は整っているか。髪の毛は整っているか。
今の時代、ネットで調べれば誰でも常識など分かります。
朝鏡を見て自分の身なりを整えていれば全く問題ないはずです。
姿勢
猫背で座っていないか。目線はこちらを向けるか。横柄でないか。
このあたりって、自分では気づけないですよね?
誰かから聞いて、自分はどうなのか振り返って、「あ、まずい」と気づいて初めて変えることができます。
話し方
話の内容ではありません。
雑な言葉遣いをしていないか。明瞭に話せるか。笑ってごまかそうとしていないか。など。
今までの人とのコミュニケーションで修正を繰り返すものです。
つまり、判断されるのは『自己認識』です。
社会というのは、人間が集まって生活を営むこと。会社はより小さな社会です。許容範囲が狭くなる。だから“ウチの集団に入って大丈夫か”確認しないといけないんですね。
注意ポイント
自己認識が甘いと、仕事においては多くの欠点となります。
・自分ばかり認めてほしい。
・成果の出ないことを頑張ってしまう。
・成長が遅くなる。
日頃から自分はどうなのか考える習慣があるといいです。
“だらしない”と“甘え”が一緒に見られるのはこのためです。
事実確認
「目は口ほどにものを言う」と言いますが、人事のプロとはいえ仕草や目線で“心を読む”わけではありません。
ポイント
大切なのは“この人物は自社で成果を上げるかどうか”です。
「成果を上げるかどうか分からない」人物よりも、「過去に成果を上げる“要素”となる行動をしている」人物を選ばないといけません。
参考
僕が面接をしていた時には、なるべく“事実”だけにフォーカスしていました。
目の前にある真実、疑いようのない事実だけを評価します。良い部分も悪い部分もです。
これがなかなか難しいんです!ドライにならないとできません。
例えば、よくアピール文に「売り上げ20%UP達成」と書いてあります。
そうすると、「売上高はいくらですか?」「目標はいくらでしたか?」「自身の行動は何ですか?」など聞いていかないと数字に騙されてしまいますよね。
注意ポイント
これは本人が騙そうとしているわけではありません。アピールしきれていない点を掘り下げて具体的に評価できる事実を見つけます。
ここで「フン、そんなのどこがすごいんだ」と上から来る面接官は未熟なので、社内の雰囲気は悪いでしょう。
面接で用意するとしたら、このような具体的事実を思い出しておくことです。忘れていたらもったいないですよ!
①消化面接
では以上を踏まえて、なぜ落ちるのでしょうか。
第一印象でNGな場合
出会った瞬間、もう不採用が決まる場合です。
お互い時間がもったいないですが、「お引き取りください」と言ってくれる優しい人事はそういないと思います。
ポイント
第一印象で不採用基準に該当。
「一緒に働けない。」「お客様の前に出せない。」と判断されると逆転は難しい。
こうなると面接の内容はほとんど意味を成さない。
これは双方どうしても避けたいですよね。
対策できる点は以下のようなところです。
- 身だしなみをしっかりチェックしておく。
- 最初の挨拶を大きな声でする。
- 出会ってから座るまでのシュミレーションは自然に。
対策するとどうしても不自然になって“いつもそうではない”ことがバレバレになるので、自然にできるぐらい慣れがあるといいですね。
客観的に自分は自然にできているか常に考えることで、自己認識は高まります。
面接確約を出している求人
これはもっと残念です。
本来、書類で落ちるところを面接まで来てしまった場合。
ポイント
最近増えている『書類選考なし』の求人でよく起こります。
少しでも面接に来る人数を増やしたいのでこのようなことをしますが、お互いとても効率が悪いですよね。
書類には、「ダメならさっさと落としてください」という意味も込めて作成しましょう。
あとは、今日午前中に面接した人がめちゃめちゃ良くて、その人が決まればもう定員。という場合など。
なかなか対策しづらいですが、こんなことに気を付けましょう。
- 社員選考なら「書類選考」をしっかりしてもらう。
- 選考は数を打つ。(簡単に入れるところほど後で苦労すると自分に言い聞かせる)
- 第一印象はエージェントに伝えてもらう。
こんなことにならないようにエージェントを使いましょう。
②第一印象の裏付け
有名なメラビアンの法則
メラビアンの法則
話し手が聞き手に与える影響を数値化したもの
言語情報(Verbal)…7%
聴覚情報(Vocal)…38%
視覚情報(Visual)…55%
非言語コミュニケーションが9割。見た目と声のトーン・大きさ・話し方・速さでほぼ印象付けられる。
このため、人の印象は出会って3~7秒で決まると言われていますね。
①ではこの時点でNGになってしまう場合です。
②は第一印象で不安を与えた場合です。
ハロー効果・逆算化傾向
「評価エラー」と呼ばれているものの中にある2つです。
エラーですから、正しい認識ができなくなってしまうもの。ぜひとも避けたいですね。
評価に関するエラーは代表的なものだけでもこんなにあります。
ハロー効果 | 一つの印象だけで、全体がほぼ決められてしまう。 |
逆算化傾向 | はじめに結果を決め、その裏付けになる事実しか集めない。 |
中心化傾向 | 良くも悪くもないところに集まる。評価があいまい。 |
寛大化傾向 | 全体的に甘い。嫌われたくない。 |
論理誤差 | 事実ではなく論理で決めつけてしまう。 |
対比誤差 | 自分と比べてしまう。 |
期末評価 | 期間の評価ではなく、期末だけの評価で決めてしまう。 |
この中で面接において特に起こりやすいのがこの2つです。
そもそも面接は長くても1時間程度しかありません。
はじめに質問することを決めて、効率よく進めないと判断できない!
だから第一印象で気になったことを確かめるんですよね。
面接というものはどうしてもこのエラーが起こりやすいということです。
ポイント
第一印象がやはり大事!
どれだけナチュラルな状態から面接をはじめられるかがエラーを起こさないポイントになります。
本当は良いものを持っているのに、「評価エラーのせいで覆すことができなかった!」なんてことになるのはもったいない。
懸念を裏付ける質問
そして、面接の時には最初に抱いた懸念に対する質問をしていきます。
面接官は、“不安”がある以上は確かめないといけません。
コミュニケーションが不安
「普段は何して遊ぶの?」
「誰と一緒にいることが多い?」
と質問したり、わざと笑わせて愛想よく相手してくれるか確かめたりします。
本当に実力があるか不安
「この成果に対してやったことは?」
「部活レギュラーだけど、全体で何人なの?」
など、意地悪に聞こえる質問をしないといけません。
ポイント
こうして、裏付けとなる事実を集めないといけません。
第一印象や書類に書いてあることが良くても悪くても、面接をするのはこのためです。
③事実がない
最終的に、「この人物なら自社で成果を上げられそうだ。」と感じさせれば採用。
「1時間面接したけど、ちょっとまだ不安だな」となったら保留になります。
決め手がないと、採用を決断することが難しい!
ポイント
こんな時は限りなく不採用に近づいてしまいます。
・期待している能力に対して何も事実が取れなかった時。
・与えた不安を払拭できなかった時。
注意ポイント
できれば、その会社がどんな人を求めているか事前にエージェントから聞いてください。
さらに、だとしたら自分の明示すべき事実は何かを考えてから面接に臨みましょう。
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人事面接攻略
受かるプロセス
プロセスをまとめるとこうなります。
①第一印象クリア(なるべくアドバンテージを得る)
②第一印象で不安を与えたら払拭
③既定の要件クリア
④個人が持つ事実に納得
評価エラーを使う
まずとても大切な第一印象ですが、逆に言えばうまく使えば有利に進めることができます。
ハロー効果と逆算化傾向を使って攻略!
ポイント
最初に良い印象を与えてしまえば、後の面接がかなり楽になる!
一番いいのは、出会った瞬間にほぼ採用を決めさせること。
参考
実際、僕も何度も“逆消化面接”をしたことがあります。
すでに通過は決まっているけれど、今後のためにお互い情報収集をするような面接です。ほとんど面談ですね。
- 身だしなみはエージェントに確認して厳しく指摘してもらう!
- 出会って最初の声を意識!(トーン高め、大きめ、心地よい速さ。やりすぎ注意!)
- 表情は自然に朗らかに!
恥ずかしいかもしれませんが、鏡の前で一人で「こんにちは。」「よろしくお願いします。」「暑いですね。(寒いですね)」「あっ、ありがとうございます。」などの自然な会話を何度も発声しておきましょう。
イイ感じのトーンや大きさが見つかるまでです。
できればエージェントの方に「練習したいんですが」と言って見てもらえるといいですね。最低限身だしなみはしっかりチェックしてもらいましょう。
エージェントには厳しく言われてもプラスしかないですからね。
事前の情報収集、事実づくり
これもエージェントの方と相談しながらつくっていくといいと思います。
最終的に決定させる事実を武器として持っているか確認!ないなら思い出す!
本当に事実が弱いのなら、残念ながら力不足です。だけどもったいない落ち方だけはしないでください。
ポイント
本当は力があるのにそれを1時間で表現するのができないから落ちる人が多い。
強力な事実という武器さえあれば、第一印象も覆せる!
自分の過去を知っている人にも手伝ってもらうと、自分が思い出せなかった事実が出てくるかもしれませんよ。
「今度“追求心のある人材が欲しい”っていう企業の面接に行くんだけどさ、そういう強みを表現できる俺の過去ないかな?」という感じですね!
- エージェントから企業が求めるポイントを情報収集。
- そこに刺さる自分の事実を広い集める。
- 自分を知る人たちにも聞く。
- エージェントにどこをアピールすべきか相談。
周りの人たちの助力を得ながら進めていくと、こんなに有利に面接を進められます。
エージェントは使い倒すつもりでいきましょう!
さらに、一度出した事実は何度でも面接で使えます。
第一印象のために練習したことも、あなたの社会性として身に付きます。
大切な自分の財産にしてくださいね!