コロナの影響で3度目の緊急事態宣言が出ているいま。希望退職が止まらない!
アパレル業界の中でも苦境に立たされている企業の動きから、個人のキャリアを考えてみよう。
変わり続ける社会の中、転職や就職をするうえで大切なのは正解を求める思考ではない。
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緊急事態宣言!アパレル業界
「ワールド」の閉店、ブラントクローズ
3度目の緊急事態宣言。今回も東京の百貨店は、生活に必要な店舗以外は休業要請が出されました。
今回はアパレル業界大手の「ワールド」の動きから、これからのキャリアを考えるうえで大切なことを考えてみましょう。
2020年4月~12月の決算で、営業収益が96億円の赤字だったそうです。
そこに来て現在も2000店舗以上が臨時休業。厳しいですね・・・。
伸びているアパレルもあり、原因を探ればきりがありませんので、とりあえず事実だけを整理していきましょう。
百貨店関係ブランドの「ジェット」「スーナウーナ」「エアパペル」「スマートピンク」「モディファイ」「ピンクアドベ」をクローズ。
今回、「ハッシュアッシュ」「サンカンシオン」「アクアガール」「オゾック」「アナトリエ」をクローズ。
さらに事業を統廃合。店舗の閉店は358店。さらに来期450店を閉店する計画だそうです。
ここまでの事実だけを見ると、「コロナ怖いな~」という感想になるかもしれません。
さらにその先、私たちは激動の時代にどう動くべきかを考えていきましょう。
コロナだけじゃない!構造が変わる業界
今回のワールドの例は、色々なことを教えてくれると思います。
まず、なぜここまで縮小するのか。
コロナが明けても改善の兆しが見えないからですね。
つまり、コロナのせいというよりも、新しい時代に向けて業界の構造を変えないといけない局面だと考えられます。
自分の身の回りのことに置き換えて考えてみましょう。
まず、百貨店という在り方が前時代的とも考えられるようになってきた。
さらに、アパレルのブランドが多すぎると思った人もいないでしょうか?
お金をたくさん持っている人、持っていない人との差は広がり、中間のブランドに種類がある必要性もなくなってきた。
わざわざ時間をかけてたくさん歩いて服を見て回るほどの余裕がある人も少なくなってきた。
その証拠に、アクセスのいいユニクロの業績はいいし、ECサイトで上手くいっているアパレルは業績を伸ばしています。
ワールドもECは好調なんです。
時代と共に生活スタイルが変化している。
今回のワールドを見ると、コロナをきっかけに新しいライフスタイルに合わせて改革を行う形にも見えますよね。
特に僕が目にとめたのは、希望退職者の数です。
希望退職と手を挙げた人
ワールドが40歳以上の社員に200人規模の希望退職を募ったところ、294人が応募した。
あなたはこの数字をどう考えますか?
単純に、「多いな~」と思わないでしょうか。
実際にどんなことがあったかは分かりませんが、これからの時代を象徴していると感じました。
まず、40歳以降が年齢的に独り立ちする時期と考えることが出来ます。
個人の時代とは、会社に頼れない時代。40歳以上に募ったということからそれが分かりますね。
キャリア理論で言えば、ちょうど『人生半ばの過渡期』にあたります。
それから、どんな気持ちで退職した人が多いでしょうか。
希望退職ということから、少しは自分から「離れたい」と思っている気持ちがあるでしょう。
では、会社を離れたいのか?40を超えてから?同業で転職するのは大変じゃないか?
おそらく、「業界を離れたい」と感じている人が多いのではと思います。
実際に僕がキャリア相談を受ける時にもそのように感じている人が多かった。
「この業界だと将来が見えない」と感じ、本当の自分は何がしたいのか?と向き合っているんですね。
さらに大切なことは、その業界に強い思い入れがあれば残っているのではということです。
つまり、本当に業界が好きでそこに自分のミッションを見いだしている人は、残るか同業に転職するのではないか。
疑問を感じていた人が別の業界に流れるのではないか。
そしてそれは何への疑問か?
業界ではありません。自分のキャリアの在り方への疑問です。
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必要なのは正解ではない答えだ
好きな人が残る(業界+働き方)
簡単に言ってみれば、「業界と働き方が好きな人が残る」です。
もしも社会の情勢を見て「アパレルはもうダメだな」と客観的に思うなら、おそらく転職する。
基準が、『外』なのか『内』なのかです。
外的な環境の事を考えれば、別の道を探したほうがいいと思う。
内に明確な理由があるなら、どうしても残りたい。
今回のワールドの場合、実際いろんな理由があるんだと思います。
外的なことを考えると逆に「厳しい世の中転職なんてできない」と思う人もいるでしょう。
内的なことを考えると逆に「やっぱり別の事がやりたい」と思う人もいるはずです。
しかし確実に言えることは、自分が本当にやりたいことと向き合うきっかけになったはずだということです。
『自分はこの業界をどう思っているんだ!?』
そのような問いを突き付けられた結果、多くの人が希望退職に応募した。
「動いた」という結果に、意志が見えるのです。
外にある正解を探すよりも、自分の内にある答えと向き合っているのでしょう。
40歳以上で個人になるならまだしも、転職はけっこう勇気がいりますから。
なにを後悔する自分なのか
あなたも自分の事として考えてみましょう。
アパレル業界にいるということは、少なからずその仕事で働きたいと思っていた意志があったと思います。
若い人は特に、憧れを抱くことが多いでしょう。
では、これが正解だったのかどうか?
そんなことを考える意味は全くないと思います。
社会的な正解ではなく、自分の中に答えが見えてくればいいんです。
自分はどういう人間なのかでまったく違う。
憧れた道にチャレンジしなかったら後悔する人間なのか。
やっぱり間違いだったなと、行動したことに後悔をする自分なのか。憧れにチャレンジしないことに後悔を感じない人間なのか。
人は違うし、これからの時代は自分がどうしたいかです。
このブログでは本当にしつこいように書いていますが、結局どうあってもキャリアを考える結論はここ。
『自分はどうしたいか』
そのために自分を理解し、自分なりの答えを持つことが大切なんですね。