長い人生の道であるキャリアでは、自分の役割はひとつじゃない。
「働く人」だけではなく、虹のように移り変わるいくつもの役割を果たしていく。
何か充実感がなかったり、上手くいかなかったりする時、もしかしたらどこかの役割を無視していませんか?
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無視してない?あなたが果たす役割
人生の役割は何層もある
今回は、キャリア理論の『ライフ・キャリア・レインボー』についてです。
これは、人生においては大きく7つの役割があるという理論。
そしてその役割は、ちょうど虹の色のように同時に重なり合って進行していきます。
今回大切なのは、同時に果たすべき役割のどこかを無視していないだろうか?ということ。
もしどこかを軽視したり気付いていない場合、なぜか充実していなかったり、上手くいかないことがあるかもしれません。
自分は全ての役割に対しどのように向き合っているか?
是非チェックしてみてください。
ライフ・キャリア・レインボー
これがライフ・キャリア・レインボーの図です。
アメリカの教育学者「ドナルド・E・スーパー」が発表しました。
かなり古い理論ですが、未だに人間社会においては普遍性がありよく使われています。
人生100年時代に合わせて「働く人」の期間を長めに見たり、少し自分なりに調整しながら意識してみるといいでしょう。
この後ひとつずつ解説しますが、かなり重なりあっている部分が多いのが分かると思います。
ほとんどの人には、30年~40年ぐらいの間“7つの役割を同時に持つ時期”があるんですね。
あなたは全ての役割を意識できているでしょうか?
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『ライフ・キャリア・レインボー』
①子ども
まずは生まれた時からの役割が『子ども』です。
そしてこれは子供のような状態のことではなく役割のことなので、“親が死ぬまで”はずっと子どもなのです。
小さなころは役割として認識することはありませんが、大きくなると変わってきます。
例えば親の介護が必要になった時はどうでしょう?
もし親に配偶者がいなければ、介護をするのは子どもの役割になることが多いでしょう。
施設に入るとしても手続きには子供の存在が必要です。
家が自営業を営んでいたり、持ち家があったりすれば引継ぎや相続の問題も出てきます。
家業は誰が継ぐのか?継がないのか?
家には誰が住み、誰が出るのか?
家庭の問題は子供としても無視してはいけない問題ですね。
それに、子供でいられるうちに親孝行をするしかありません。
親がいなくなってからでは遅い。
気が付いた時から、親孝行ができているか毎年考えるといいですね。
②学ぶ人
次に『学ぶ人』です。
早ければ幼稚園・保育園から、少なくとも小学生に入るころには学ぶ人としての役割が始まります。
では、この役割が終わるのはいつなのか?
学ぶ人は、死ぬまで終わりません。
学校を卒業したら学びは終わりなんていったら、人生100年時代のキャリア形成には全く向きません。
変化が激しい世の中、ずっと変わり続けていくしかないんです。
むしろ学びの本番は実践を伴う社会からと言ってもいいでしょう。
小さい頃は仕事が出来る脳や体ではないから、ただできる学びからやっているにすぎません。
義務教育での学びはあくまでも基礎を固めるためのもの。
大学は基礎のあとに専門性を高めるためのものです。
何をしていても、赤ちゃんでないのなら常に学び続ける姿勢が大切です。
③余暇を楽しむ人
次が『余暇を楽しむ人』です。
社会に出た後の余暇だけではなく、もっと早く子供のころから始まり、死ぬまで続きます。
学校や仕事などの本筋とは別に、趣味や好きなことに費やす時間が余暇です。
つまり、ただ楽に好きな事だけしていられる人はいないことの裏返しです。
社会のためや家族のために果たすべき役割はたくさんありますが、その中でも生活に充実感を持たせていくには“やりたいことができている”感覚が必要です。
やりたいことが仕事になっていれば、余暇も仕事も一緒かもしれませんが、残念ながらそういった人は少ないでしょう。
トータルの人生に充実感を得るためにバランスを取るためのものです。
でも、このために仕事をするというのは違います。
人生の中心ではなく、あくまでもバランス調整だと思っていた方がいいでしょう。
④市民
この役割意識は一番薄いかもしれません。
『市民』です。
これも死ぬまで続く役割です。
日本では市民税があり、今のところ、そこに住む限り支払う義務があります。
しかし、ただ単に税金を納めるという意味だけでの役割ではありません。
インターネットン普及により意識しづらくなりましたが、人間は本来集落ごとに支え合って生きてきました。
現在もこの名残を残す風習を持つ地域もあるでしょう。
国や都道府県よりも小さな自治体範囲、少なくとも市町村を意識しましょう。
これが一番発揮されるのが災害時などではないでしょうか。
結局、何かがあった時に頼れるのは隣人です。
自分の仕事の範囲だけで関係性を終わらせるのではなく、積極的に地域のコミュニティにも参加していきたいですね。
⑤働く人
ようやくメインの『働く人』!
と思ったら、実は一番短い役割になっています。
短く表記はされていますが、最も大切なことは言うまでもありません。
人間社会というのは、個人ではなくその他の人への働きかけによって成り立っている。
主夫・主婦であっても例外ではありません。
支えているのは大黒柱かもしれませんが、その活動は明らかに社会活動を支えるものです。
会社の経理部や総務部と基本的には変わらないですよね。
始まりは社会に出るころですが、バイトをすればすでに始まっています。
そして今後気を付けないといけないのは終わる時期です。
僕がいつも伝えているのは、「終わりを意識しないでください」ということです。
身体が動かなくなってもお金が働いてくれるように、金融や投資の勉強を始める人も増えています。
医療のテクノロジーはどこまで進歩するか分かりません。
もしかしたら、「脳さえ動けば働け」なんて時代も来るかもしれませんね。
⑥配属者
結婚をすれば『配偶者』です。
無視をすると色々なことが上手くいかなくなる代表的なものです。
仕事だけで一生懸命になることが許されるのは、その分配偶者が自分の役割を肩代わりしてくれているからです。
SDGsなどにもあるように、これからは男女が均等に働くことが求められています。
残念ながら男性は出産が出来ないので、本来ならば代わりに育休などを取らないと不公平になりますよね。
これからはより柔軟な配偶者の在り方があった方がいい。
特に30歳の過渡期で現実の生活を直視しないといけない時に、しっかり配偶者同士話し合っていくことが大切です。
また、何かあった時に配偶者の責任を負うのは配偶者です。
お互い様でずっとやっていく以上、公平に信頼し合える環境でやっていきましょう。
⑦親
最後に子供ができた瞬間に『親』としての役割があります。
産まれてすぐに実感を持つことができない場合も多いですが、苦しみながらもみんなが親としての役割を全うしていきます。
子どもについて全責任を負うもので、命を守ることはもとより教育についても頭を悩ますでしょう。
もちろん家庭環境によっても子どもの将来に左右するものは大きいので、親としては色々考えてしまいますね。
しかし、これからの世の中はこのような家庭環境による差は少なくなっていきます。
誰でもYouTubeを見て見識を広げられるし、親よりも知識のある子どもなんてたくさんいます。
だからある程度、親も自由に教育をして欲しい。
親は自分の得意なことを教えればいい。
あまり責任責任と考え込まないことが大切です。
自分より詳しい専門分野を持つ人なんて、世の中にごまんといます。
全てを親が教える必要はないんです。
第一に大切なのは子どもの健康を保つこと。
第二に子どもの興味のもととなる体験機会を与えることです。
一緒に遊ぶぐらいの気持ちの方がちょうどいいと僕は思っています。
7つの役割。
あなたは全てにおいて自信を持って「やっている」と言えるでしょうか?
もし何か引っかかる役割があるなら、それをすればきっと今より充実した人生になることでしょう。