なんでもかんでもスピードで終わらせようとすると、めちゃくちゃ勿体ないですよ!
特に会議やミーティングで何かを生み出そうとする時、サクッと決めるなら時間の無駄だからやらない方がいい。
『議論は料理』
必要なのは熱を入れて溶かして混ぜることです。
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すごいアイデアは温度から生まれる
いい議論は会場がアツくなる!
僕は元人事部長ですが、その前にはアルバイトさんがいる現場の店長やリーダーなどを長くやってきました。
会議やミーティングなどもたくさんやってきた。
その中で気づいたことがあります。
『いい議論をしていると、会場が暑くなる』
熱くなるではなく、暑くなる。
もちろん熱い議論なのも間違いないですが、体感的に温度が上がるんですね。
逆に険悪だったりすると会場は冷たい空気に包まれて身震いしてしまう…。
だから“ただ熱い”というだけではないんです。
途中で上着を脱ぎだしたり、それでも汗をかいてきたり。
で、部屋を出るとひんやり気持ちいい。
とても清々しいアツさに包まれているんです。
僕の記憶で一番成果のあった会議
僕が今まで行った会議の中で、一番いいイベントを生み出したものはどれだったか振り返ってみました。
長年愛され続けるような最強のイベントを生んだ会議がありました。
どんな会議だったか。
参加者は社員・アルバイト全員。20人以上いたかもしれません。
社員は途中で突然抜けるんですが、わざと「なんだアイツ!帰ってきても無視だかんな!」みたいな空気を作る。
そして帰ってくるときに何かしらの変装をしています。
みんな笑いたいけど笑ってはいけない。
社員は全員仕込みなので、結局半分ぐらいの参加者がふざけた格好になっている。
僕は全身タイツで真剣に議論を進めました。
休憩もはさみながら長丁場。
休憩明けには全員立ったまましっかり「よろしくお願いします」。
座る時は全員コケるルールです。
なんとこんなふざけた会議(?)が、一番息の長いイベントを生み出したんですね。
アイデアは全員が“採択”してなんぼ
なんでこんなことをやったか?ちゃんと理由があります。
楽しくやりかたかったんです!(笑)
とにかく場を温めることに全力を尽くしました。
自分自身も楽しくやりたかったので。
せっかくの意見も、誰かが「そりゃないな」と言った瞬間に消去法に入ります。
会議の大切なところは“何にするか決める”ことではありません。
“何を生み出すか”です。
全員の意見が出た方がいいし、否定的なよりも建設的であった方がいい。
全員から意見が出て、全員が全部採択するのが理想的。
『主体的であること』
言うほど簡単じゃありません。
「主体的になれ!」と言うだけで、主体的になるための環境を用意する余裕がない会社がほとんどでしょう。
会議というのは、それを可能とするとってもとっても貴重な機会です。
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宮内流『いい会議』
クレバーなだけじゃ競争になりがち
あなたの会社では、どんな会議が『いい会議』でしょうか?
僕の場合は、その会社にいるより多くの人の力を最大限に引き出す会議だと思います。
能力の高い人達が集まっているのに「もったいないなあ」と思うこともあります。
時間がなくて、決定にスピードを求めて「誰の意見が一番いいか」という議論になりがちなんですね。
30分~1時間程度のミーティングでは会場が温まったころには終えないといけない。
そもそも参加者が限られ、事前の意見の収集も行われず、上層部だけの動きになってしまっていることも多い。
つまり、スピードの速い人の意見しか吸い上げられないので、本来の成果の半分といってもいいでしょう。
会社の本来の力と言うのは、人が集まっていることにあると思います。
積極派のスピードや押しの強さも大切。
慎重派の深い思案やリスク回避も大切。
みんなが集まる会議は積極派に寄りがちなので注意しましょう。
『力の結集』がいい会議
全員が主体的に発言できるようにするためにはどうしたらいいか?
マネージャーはそこに全力投球です。
自分の意見なんて、ただの波紋を広げるための一石にすぎない。
社員もアルバイトも、会社に在籍している以上は仲間です。
その人達からなるべく多く意見を出してもらってもいい権利が会社にはある。
会議は全社の力を結集する絶好のチャンス。
すでに形の決まっているアイデアが採択される会議をいい会議だとは思いません。
それならわざわざ会議せずに、効率よくやってしまいたい。
どうせ集まるなら、どこにもなかったアイデアを生み出したい。
終わった後にみんなが「スゲーのできちゃったな!」と興奮を覚えているような、クリエイティブな議論を。
そういう会議に必要なのは、主体性や納得度といった温度感です。
選ぶより生む。スピードより温度。
物体が溶ける時に熱が必要なように、意見を溶かして新しいアイデアを生むには熱が必要です。
会場のみんなが温まっていないと、否定や出来ない理由探しをしたりしてしまうから。
みんながイケイケになってくると「面白そうじゃん!他に何加える!?」とすべてを拾って使ってやろうという雰囲気になる。
会議は料理のようなものです。
出来合いのお惣菜をレンジでチンして出すのは何とも味気ない。
手間ヒマかけてじっくり煮込んで、味がなじんできたら美味しく出来上がる。
もとにあった素材を使って、全く新しい味を作ってしまう魔法です。
会議やミーティングに必要だと思うのは、
選ぶより生みだす。
スピードより温度感。
スピードからすごいアイデアは生まれません。
せっかく時間を使うなら、美味しいもの作りたいですよね!