内定式

“みや”のちょい寄ッテ!

なくなるのはさみしい!【内定式】の人事は学生と似た気持ちです。

10月1日といえば、人事をやってきた僕たちにとってはものすごく特別な日

内定解禁!内定式の日

 

ここまで採用を頑張ってきて、出会ってきた学生たち

その中から自社に選ばれ、自社を選んでくれた、奇跡にも近いめぐり合わせ。

おっちゃん、そういうふうに感慨深くなっちゃうんですよね!

 

数年後にはなくなってしまうかもしれないけど、大好きです

内定式

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もともと、あってないような就活ルール

内定が解禁なんて、そもそもなんであるんでしょうね。

「ウチくる?」「行く!」となったらもう内定なんですけど。

 

1985年の「一括採用」開始。

「就職協定」が終わって「倫理憲章」からの「指針」へ。

そして政府主導となるこれから。

目まぐるしく変わっていくのは、本質的な就職活動ではないからかもしれませんね。

 

僕が新卒採用を始めたころは、「倫理憲章」説明会解禁大学3年生の10月と決まっていました。

長い長い、採用活動です。

活動しているうちに次の期の活動が始まるので、もう訳が分からなくなる。(笑)

 

この時が一番、活動が長い時期だったと思います。

でも今となっては、僕はあのとき始めてよかったな~と心から思います。

長い分、来てくれた学生への愛着がどんどん湧いてくるんです。

内定式も大好きだったし、入社式なんてそれこそ感動

一番やりがいを感じるのは、現場配属になる直前の新入社員研修が終わる日でした。

 

最近の就活ルールでは、どの会社も“どうやって出し抜くか”で必死です。

ちょっと言葉が悪いですね。

実際人事は、「何の意味もないじゃん」と思いますよ。

 

近所の大学生が「おじさんの会社入りたいんだけど、いい?」

と言ってきたら、「まだ解禁してないから10月1日まで待って。」って言いますか?

 

あまりに早すぎるというのは分かりますけどね。

そもそも、一括採用しちゃったからですよ。ナビがあるからですよ。

 

そんなどこかの誰かの都合は、日本全国に長年浸透させるほど出来たものじゃなかったってことだと思います。

 

「じゃあ内々定に何の意味があるの?」ってなっちゃいますから、本質的に内定解禁なんておかしな話なんですけど。

この節目があることで、僕ら人事や会社側も、学生側も、ひとつのターニングポイントになっていたことは確かです。

 

やっと内定が出せるということ

内々定は軽すぎて

ほとんどの場合は10月1日以前に面接しています。

ここまでに内定持ってなかったら結構焦っちゃうぐらい当たり前になっていますね。

 

でも、内定出しちゃいけないって誰かが言ってるから、仕方なく会社は「内々定」って言いますよ

なにこれ?ですよね。

 

人事の本質的に、内々定なんてものはありません

全ての選考試験を通過したら内定そのもの。

あとは学生が承諾するかどうかだけ。

 

学生も選考通って、「内々定!」って言われてもなんか拍子抜けですよね。

軽く聞こえちゃうから嫌でした!「内々定」

 

実際僕らは、「採用!」のつもりで出してますから。

来るか来ないかは別として、こちらは是非来てほしいんです。

気持ちが伝わり切らない。

誠意を見せきれていない気がする。

だから10月1日まで、その気持ちがストックされちゃう。

 

人事はたぶん、学生が思ってる以上に出会った学生に特別な思いを抱いているものです。

 

昔はここまでくるのに1年かかったよ!

説明会の解禁は2017年から大学3年生の3月でしたけど、僕が新卒採用を始めた2010年のころは大学3年生の10月でした。

実に5か月も前から採用活動・就職活動が始まる!

けっこうちゃんと守ってましたよ。

 

そうすると、内定式まで1年もあるんですよ!

この一年間、一緒に仕事をするわけでもなくちょいちょい連絡を取り合ったりたまに会って食事をしたり

もうけっこう、長い付き合いのように感じてるんですよね

 

仕事の話はしないもんだから、いつも学校とか友達とか家庭の話ばかり。

社会に出る不安について一緒に悩んだり、他の会社も気になっていることを正直に打ち明けられたり

毎日会っているわけでもないのに、これってすごい親近感なんですよ。

 

内定式の日には、「やっと、やっとここまで来たんだな」と実感します。

まだ入社まで先が長いけど、人事としてとてもやりがいを感じる瞬間です

 

承諾したわけでもないけど

そんなんですよね。

まだ学生は断ることができる

 

それでも、こちらから“誠意を見せたい”

「責任もって育てるからな」

「まだまだ自分たちも未熟だけど、一緒に成長していこうな」

「大丈夫だからな」

 

内定式のスピーチは、学生に安心してもらいたいということと自分たちが気を引き締める宣言です

運動会で言えば選手宣誓です。

断られる恐れがあるあたり、プロポーズです。

 

“式”があること自体、日本の内定式にかける思いが強いことが分かりますよね。

こういう採用活動してるんだから、そうなっちゃいますよ。

 

内定式ではそんなわけで、僕たち人事側は学生のみんなを特別な思いで見ています。

司会をしている時は緊張したみんなの顔を見ながら。

後ろにいる時はピンと伸びた背中を見ながら。

それぞれ出会った場所悩んだこと交わした言葉なんかを思い出しながら、まだ長い内定期間に向けて気持ちを新たにしています。

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内定式は、確かに歩む社会への一歩

不安と期待

ここまで、たくさん悩んできたことを学生から聞いています。

他の内定を蹴ってくれたことなんかも。

 

悩んでいてもここにいてくれる。

まだ不安は消えないのに、気持ちを奮い立たせて内定式に臨んでくれている。

 

みんなのそんな気持ち。

真剣な顔の中に、他の人には伺い知れない複雑な思いを抱えてる

きっと自分でも処理しきれていないだろうに。

 

そして期待も。

自分の選択は間違っていない。

この会社で貢献する。

 

この期待に、全身全霊で答えないといけない。

社会に戸惑いながらそれでも踏み出す大いなる一歩を、力強く踏めるように

ちょっとやそっとじゃ崩れない、硬くて強い地盤になってやらなきゃ。

 

そんなことを決意する一日です。

 

少しだけ学生を忘れてしまいそう

スーツを着て。

普段しない姿勢で椅子に座って。

新しい髪形

履き慣れない

 

先輩たちの前で、ちょっとスピーチなんぞしようものなら。

心臓はバックバク!

何この感じ!?

 

感じたことのない雰囲気に飲まれながら、なんとか一日を終える。

式が終わってひと段落したあとに、「これが社会なんだな」って思う。

 

内定式までは、こんなに社員がいる場はなかった

せいぜい人事とか数人の社員と会う程度だった。

 

だけど本当はこの会社には、もっと色んな人がいる。

気の合う人もいるし、全然理解できない人もいる。

内定式の一日、あまりにも今まで過ごしてきた日々とかけ離れている

なんだか今日は、社会人になっているような気がする。

 

そうですよ。

僕ら人事からすれば、社員も内定者も同じです。

社会と学生に、境界線なんてない

 

みんな苦しみながら、だんだん大人になっていく。

今日は社会人、明日は学生。

だけど式のために切った髪は、まだ伸びてない。

 

学生だけど、ちょっと社会人が残ってる。

そうやってだんだん、自分の中の社会人が多くなっていきます。

 

気分はどうだい!内定式

緊張したと思います。

今まであったことのない色んな人に会ったかもしれないですね。

 

で、どうですか?

どんなことを思いましたか?

 

たぶんちょっと、今までの自分と違うはず。

どこかに生まれた、「やってやるぞ」という気持ち。

 

僕たち人事も、選手宣誓

学生もきっと、そんな気持ちがどこかに生まれるものです。

だから好き!内定式!

 

新しい一歩を踏み出す若い人を、応援したくなるように人間は出来てるんだなと思いますよ。

これから先、紆余曲折いろいろあるけども。

とりあえず今は、そのちっちゃな変化と向き合ってみて。

もうちょっと先の社会人な自分も妄想して楽しもう。

 

 

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宮内 利亮

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