僕は人事畑で10年、人事部長まで経験しました。
そのなかで当然、面接・面談も何百回とやってきました。
でも!
僕が面接や面談でやっていたことは、「落とすこと」ではありません。
「社長に採用させること」です。
キャリアコンサルタントになった今も、やっていることは同じかも?
面接の半分以上は“イイとこ探し”
不人気の中小企業は、良い会社でも人が来ない!
まず、すべての会社が僕のようにやっているわけではありません。
人気企業や大企業の面接では、「落とす」ことも必要です。
多くの人材が集まってくるので、すべての人たちを通すわけにはいかないですよね。
僕のいた企業は、地方の中小企業。
宣伝をしなければ誰も知らないような会社で、自然と人が集まってくるわけではありません。
不人気の企業は、たとえ“良い会社”であっても採用難になる。
だから、“落としたくない”んです。
面接というのは難しいもので、たかだか1時間で判断しないといけない。
本当はもっと良いところがあるのに、それを面接で表現できないと不採用になってしまう。
しかし僕は諦めが悪いほうで、面接が2時間になることもざらにありました。
あなたの強みは何?
「もっと強みがあるはずだ」といつも思っています。
そしてそれは誰であっても100%当てはまります。
まだ強みが出きっていないのに不採用になるのは、お互い損なんです。
求職者だけでなく、会社側にとってももったいない。
だから、面接の半分以上は「強み探し」に集中します。
角度や考え方を変えながら、
- 学生のころ褒められたことは?
- 周りの人にいつもなんて言われる?
- それって、あなたの強みにもならない?
- 逆に考えたら、それっていいとこだよね?
だいたい、本人は無自覚です。
「え?そう言われれば・・・そうなのかなあ。」と。
本人が無自覚なので、当然こちらが黙っていたらアピールできません。
その状態で終わるなんてもったいなさすぎる。
ここで強みが見つかれば、最終面接前にプッシュできる。
さらに、本人が自覚して自信を持ってくれます。
強みを探すことはお互いプラスしかない。
あなたの人生どちら向き?
もうひとつ大切なことは、「価値観」とか「方向性」といった部分です。
人生どちらの方向に行きたいのか?
これも自覚している人は少ない。
会社の面接においては、会社の価値観を話します。
すると、反応がありますよね。
その反応で、少なくともウチの会社の価値観が好きか嫌いかははっきりします。
会社の価値観と、あなたの強みは密接な関係があります。
あちらの会社では活きる強みが、こちらの会社では活きない。
こちらの会社では活きる強みが、あちらの会社では活きない。
価値観も確認しておく必要があるんですね。
ズレていると、入社した後に「こんなはずでは・・・」となりますから。
価値観に賛同してもらえて、強みも発見できた。
もう、やることはひとつです。
最終選考に受かってもらうだけ!
社長にプレゼンするネタをつくる
僕がいた会社では、最終選考が社長でした。
最終選考には、ただ人材を送り込むだけのようなことはしません。
必ず事前に、人材の良いところをプレゼンをします。
どの部分の価値観が合っているか?
まず、ここは必ず説明します。
選考を通過した時点で“自社の価値観に合っている”ということには違いありません。
さらに納得してもらうために、「価値観が合っている」理由を説明します。
どの部分の価値観が合っているのか?
事実は何か?(根拠)
価値観にも色々あって、ただ「価値観が合ってるんですよ」と言っても分かりません。
「掃除の習慣は大切だという点でとても共感していました」
など、具体的に面接の中で出たワードを使って説明するんです。
さらに、
「自宅でも毎日玄関を掃き掃除すると言っていました。自社でも掃除を主体的にやって、周囲にも影響を与えてくれそうな期待が持てますね。」
と言う具合に根拠も示します。
しっかり出来ている事実と、入社後に期待できることを伝えて、活躍しているイメージを与えるんですね。
ポイント
社長が「ほうほう」とうなずくような「価値観」、「根拠」を面接の中で探す。
自社に入社した時の価値も合わせて社長に提示する。
もちろん、強みは何か?
強み。これって意外と難しいんです!
本人が強みと思っていることが、実は自社では活きなかったり。
本人が強みと思っていないことが、実は自社では活きたりする。
会社に合った強みは、会社のことを知っている人が引き出してあげる。
面接において人事がやるべきマッチングです。
それだけで終わってはいけない。
社長に伝えるまでがマッチング。
これも、ただ「○○さんの強みは根気強いところです」なんて言っても伝わりません。
強みはなるべく具体的に。
「○○さんはとても根気強く、決めたことをやり続けて習慣化する力があります。」
などと話し始めます。
もちろん嘘は言えないので、面接でこの裏は取ります。
そしてやはり根拠となる事実が必要。
「中学から大学まで、サッカーをしてきたそうです。強豪校でレギュラーは取れていませんが、自分で“朝のボール処理練習”をしようと思い付き、高校から5年間の間ずっと続けてきたそうです。この主体性と継続力は、ぜひ現場に欲しい力です。」
という感じでプッシュしまくります。
ポイント
必ず社長に、「へえ~!」と言わせる強みを持っていく。
驚きを与えるぐらいの事実を、意外と誰しも持っているものです。
社長が気に入るポイントはどこ?
価値観、強みを伝えたら、最後にダメ押しをします。
「きっと気に入りますよ!」ということを暗に伝えちゃいます。
社長といえども、人間です。
会社といえども、人の集まりです。
結局最後は、人と人の相性です。
社長と社員の相性というのはとても大切なものです。
面接では、ここも探すんですね。
社長が気に入るポイントはすでに抑えています。
あとはそれを探すだけ。
例えば、
なんか突拍子もないことをやった経験はないかな?
おもしろい企画を友達として遊んだことはないかな?
変わった趣味は持っていないかな?
※社長によってさまざまですよ!
このネタを仕入れて、事前に社長の耳に入れておくんですね。
「○○さんなんですけど、友達とヒッチハイクでアジア回ったみたいですよ」
とか
「○○さん、こう見えて実はガンダム好きらしいですよ」
という感じですね!
ガンダムが好きな社長だったら、面接でどう切り出すと思いますか?
「君、ガンダム好きなんだって?」
ですよね!
もう面接は温まること間違いなしです。
ポイント
「そいつ、おもしれえな!」と思わせたら勝ちです!
だから、能力や価値観に関係ないこともどんどん聞きたい。
その分が、社長を落とす武器になるからです。
もしこれから就職活動をするなら、自分の何が強みになるか分かりませんよ。
面接ではたくさん自分を表現して、何かが“お気に入り”になるといいですね。